未来の養蜂業を考える—松治郎の舗の水谷社長インタビュー
気候変動がもたらす影響とは
三重県松阪市に本社を構える株式会社松治郎の舗の代表取締役、水谷俊介氏が、気候変動の影響が養蜂業に及ぼす実態について語っています。最近の冬号情報誌「しきさい」に掲載されたインタビューによると、水谷社長は将来的に日本の養蜂が困難になる不安を抱えています。特に、気候変動の影響で花が早く焼けてしまい、ミツバチが必要とする蜜や花粉が減少している現実を指摘しました。
昨年は特に花の状態が著しく、温暖化の影響をはっきりと感じたそうです。ミツバチたちが効率的に働けなくなれば、養蜂業そのものが成り立たなくなる危険性があります。
持続可能な養蜂へ向けた活動
この状況を受けて、松治郎の舗は以下のような持続可能な取り組みを進めています。
蜜源環境の保護活動
地域の農家と協力し、ミツバチが集蜜するための蜜源植物を植栽するプロジェクトを進行中です。地域に合った植物を選ぶことで、ミツバチたちが安定して蜜を集められる環境を提供します。
転地養蜂の実施
気温変動に対処すべく、ミツバチをより適した地域に移動させる「転地養蜂」の手法を取り入れています。このアプローチにより、ミツバチたちが最も活動しやすい環境を確保し、効率的に蜂蜜を生産できる状態を目指します。
消費者教育と地域連携
地域社会における養蜂業への理解を深めるため、はちみつの価値を伝えるイベントやセミナーも開催しています。消費者が養蜂業の重要性を理解することで、サポートを得られると考えています。
次世代への資源継承
水谷社長は、「養蜂業は自然環境との共存があって成り立つもの」と語り、その活動が将来的な環境保全や次世代への資源継承に貢献することを願っています。また、三重県内での活動を通じて、全国的にもこの問題意識を広げたいと考えています。
特集記事の掲載情報
この特集は、三重県環境生活部が発行する情報誌「しきさい」2025年冬号に掲載されています。気候変動の影響について詳しく知りたい方は、ぜひご一読ください。情報誌では、県民、事業者、行政が協力して気候変動対策に取り組む姿勢を提案しています。
記事の詳細は
こちらから確認できます。
株式会社松治郎の舗について
松治郎の舗は1912年に創業した老舗の養蜂専門企業で、日本の自然との調和を目指して高品質のはちみつやローヤルゼリーを生産・販売しています。自社の理念として、「自然からの贈り物であるミツバチ製品でお客様を笑顔にする」という信念を持ち続け、持続可能な養蜂を実践しています。今後も環境保護活動や地域貢献により、持続可能な社会の実現に貢献していくことでしょう。