名誉総裁賞を受賞した美しい工芸菓子『花美麗鳥』
第28回全国菓子大博覧会で、宗家 源 吉兆庵の『花美麗鳥』が名誉総裁賞を受賞しました。この受賞は、展示された約90点の中から選ばれた特別な栄誉であり、過去4大会連続での受賞も誇る伝統的な技と美の結晶です。
『花美麗鳥』のテーマと素材
今回の作品『花美麗鳥(かびれいちょう)』は、豪華な牡丹の花と美しい孔雀のつがいを描いています。孔雀の羽を広げた姿は特に印象的ですが、その後ろ姿にも奥深い魅力が詰まっています。職人たちはこの作品を通じて、孔雀と牡丹が織りなす圧巻の情景を表現し、観客に楽しんでもらえるよう尽力しました。
この作品の制作には、約1年間の構想と時間が費やされ、約7,300個の孔雀の羽パーツと2,600枚の牡丹の葉が使用されています。すべてのパーツは、4名の職人によって手作りで仕上げられ、細部にわたる技術が光る美術工芸品として誕生しました。
受賞歴の背景
宗家 源 吉兆庵は、数々の受賞歴を持つ名門です。過去の受賞作品には、2008年の姫路菓子博での『煌花燦彩(こうかさんさい)』、2013年のひろしま菓子博での農林水産大臣賞を受賞した『悠久(ゆうきゅう)に咲く華』などがあります。そして2017年にはお伊勢さん菓子博での名誉総裁賞・感動大賞に輝いた『彩華瑞鳥(さいかずいちょう)』が特に注目されました。これらの実績は、宗家 源 吉兆庵の工芸菓子が持つ高い技術力と芸術性を如実に表しています。
工芸菓子の魅力
工芸菓子とは、白餡、砂糖、米粉などの食材を用いて自然の景色や生き物を美しく表現した芸術作品のことです。この菓子は、ただ食べるだけではなく、鑑賞し楽しむことを目的としています。江戸時代から続くこの工芸品は、大奥での「献上菓子」がその起源とされています。その製法には、和菓子の技術が活かされており、職人たちの細かな手作業と熟練の技術が不可欠です。
菓子博の重要性
4年ごとに開催される全国菓子大博覧会は、全国の菓子職人が集結し、その技術と美を披露する貴重な機会です。職人たちはこのイベントに向けて、全力を注ぎ込んだ工芸菓子を出展します。今回は、2025年の開催を前にし、北海道での菓子博が予定されており、皆さんに新たな感動を届けることが期待されています。開催期間は5月30日から6月15日まで、場所は道北アークス大雪アリーナです。日本の菓子文化を体感できる貴重なイベントを、ぜひお見逃しなく!