健康長寿の秘訣!加工昆布が胆汁酸の産生を促進
近年、急速な高齢化により日本では100歳以上の方々、いわゆる“百寿者”の数が増えており、その背景には腸内環境への関心が高まっています。支えられる腸内細菌の役割が明らかになる中、フジッコ株式会社による研究が注目されています。この研究では、加工した昆布が腸内の有用物質として知られるイソアロリトコール酸の産生を促すことを発見しました。
日本における健康長寿の現状
日本の百寿者は、加齢に伴う疾患や感染症にかかるリスクが低いことが知られています。その秘密を探る中で、腸内細菌がどのように健康を保持しているのかが注目されています。具体的には、イソアロリトコール酸という胆汁酸の生成が、百寿者やその周囲の人々の健康を支える大きな要因とされています。この胆汁酸は、強い抗菌作用を持つだけでなく、免疫システムを正常に保つための重要な役割も果たします。
昆布の新たな可能性
昆布は古くから食材として親しまれ、豊富な食物繊維を含んでいます。加工の過程で、昆布の食物繊維は低分子化され、特に水溶性食物繊維の割合が増加します。これは、腸内の善玉菌を育てるために有用だと考えられています。最近の研究では、新たに開発された加熱昆布粉末を用いて、腸内のイソアロリトコール酸産生菌の変化を調べました。
臨床試験の結果
フジッコが実施した臨床試験では、20歳から63歳の健常者を対象に、加工した昆布粉末を摂取することによる効果を調査しました。2週間にわたりこの粉末を摂取した結果、便中のイソアロリトコール酸の量が有意に増加し、従来の腸内細菌のバランスが改善されたことが示されました。特に、イソアロリトコール酸産生菌として知られるOdoribacter属の細菌が増加したことが確認されています。
また、昆布に含まれるアルギン酸を分解するBacteroides属の細菌の数も増えており、これらの結果から、加工昆布が腸内細菌の変化を促し、イソアロリトコール酸の産生を助ける可能性が示されました。この研究は、百寿者だけでなく、若年者の健康な腸内環境を保つためにも寄与できる可能性があることを示しています。
今後の展望
フジッコでは、昆布加工食品が健康に与える影響について更なる研究を進めていく方針です。健康長寿を支えるノウハウを活かし、消費者の生活を豊かにする製品を開発することで、さらなる価値を提供したいと考えています。あなたも日常に昆布を取り入れて、健康で充実した生活を送りましょう。
発表情報
本研究成果は、2025年10月18日、19日に開催される日本食物繊維学会第30回学術集会で発表されます。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
【お問い合わせ】
フジッコ株式会社
担当者:渡辺真通
TEL:078-303-5385
HP:
フジッコ