日清製粉ウェルナがAIで冷凍食品需給管理を自動化
1. イントロダクション
日清製粉グループに属する株式会社日清製粉ウェルナは、AI(人工知能)を活用した最新技術により冷凍食品の需給管理の自動化システムを開発しました。このシステムは2024年10月から運用を開始する予定で、効率的かつ安定した製品供給を実現するための取り組みを進めています。これにより、業務の属人化を解消し、オペレーションリスクの低減を図ります。
2. システム開発の背景
冷凍食品の需給管理は、受注から在庫、出荷まであらゆる情報を基に計画的に行われます。これまでは、専門の担当者が約1800パターンもの計画予測を手動で立案していましたが、この作業は非常に負担が大きく、効率化の必要性が高まっていました。そこで、日清製粉ウェルナとAI技術を持つ株式会社グリッドが協力し、需給管理の自動化システムを推進することにしました。
3. 冷凍食品の需給管理自動化システムの特長
このシステムの最大の特長は、需給計画や在庫転送計画を自動的に立案できる点です。過去の出荷実績や受注実績に基づいて月次で販売数量を見込む表を作成し、現在の在庫や製造スケジュールに従った需給計画を策定します。その後、各倉庫への配車計画や在庫の転送計画も自動的に決定され、必要な配車台数はリアルタイムで更新される仕組みです。これにより、従来は約3日かかっていた計画策定が1日に短縮されます。
3.1 業務時間の大幅削減
システムを導入することで、日々の在庫転送明細の作成時間が約2時間から約45分に短縮され、月間で約50時間もの業務時間を削減できる見込みです。これは、担当者にとって大きな負担軽減となります。さらに、システムは担当者が使い慣れたフォーマットで出力され、日々の状況に応じた修正も容易に行える設計となっています。
3.2 人間の介在を重視
システムが完全自動ではないため、突発的な事態にも柔軟に対応できます。急な需要変更などのイレギュラーな事象にも、担当者が修正を施すことで適応可能です。これにより、オペレーションのリスクを低減しながら、業務の効率化を図っています。
4. 未来への展望
日清製粉ウェルナは、今後もDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、効率的かつ安定した製品供給の実現に努めていきます。これからの物流において、AI技術の導入は不可欠であり、日清製粉ウェルナの取り組みは他企業の模範にもなり得るでしょう。新時代の冷凍食品需給管理の行方に注目です。