新たな酒造りの拠点、早苗饗蒸留所
秋田県男鹿市に誕生した「早苗饗蒸留所」は、酒粕から新たな価値を見いだすことを目的とした新しい酒造りの拠点です。こちらは、稲とアガベ株式会社の関連会社である株式会社SANABURIによって設立されました。
この蒸留所の設立は、酒造りの過程で捨てられがちな酒粕や残留アルコールから新しい価値を生み出す「SANABURI構想」に基づいています。酒粕は、酒造りの副産物ですが、その多くが廃棄されているのが現実です。この問題に立ち向かうため、酒粕を主原料としたスピリッツやジン、リキュールなど「JAPANESE CRAFT SPIRITS SANABURI」を展開し、地域に根ざした新たな産業を創出することを目指しています。
開業記念の実験酒、山椒スピリッツ
早苗饗蒸留所の開業を記念して、初の実験酒「SANABURI SPIRITS 山椒 prototype01」が登場します。このスピリッツは、和歌山県有田川町のかんじゃ山椒園から取れた山椒を使用しており、爽やかな香りとともに特有の青々しい香りを楽しむことができます。予約販売は数量限定で、2025年5月から発送される予定です。実験酒は今後もシリーズとして続く予定で、3月には第2弾、4月には第3弾が発表されます。
山椒の栽培を行うかんじゃ山椒園との連携も魅力で、栽培から加工まで行っているその理念に共感したことが、今回のコラボレーションへとつながりました。
地域とのつながりを育む
稲とアガベ株式会社は「お酒を通じて地域に人を呼び込む」という理念を持ち、男鹿市の活性化を目指しています。クラフトサケの醸造を基盤に、レストランや加工所などの施設も展開してきました。これからは、新たに開業する蒸留所やスナック、さらにはホテルなども手がける予定です。地域の特産品を生かした加工品の開発や酒造りを通じて、男鹿市を未来に残すための活動を進めています。
まとめ
早苗饗蒸留所の開業は、単なる酒造りにとどまらず、廃棄される食材の価値を見直し、新たな産業を生み出す試みです。また、地域との協力を大切にし、今後の展開にも期待が寄せられます。この新しい酒造りの拠点を通じて、私たちの食卓にも新しい味わいが加わることでしょう。これからの「SANABURI」の取り組みから目が離せません。