新プロジェクト「サイレントシフト」の発表
2023年、働く女性のキャリアとヘルスケアの両立を支援するための新プロジェクト「サイレントシフト」が、株式会社陽と人とパラマウントベッド株式会社の共同により始動しました。この活動は、特に更年期世代の女性が抱える健康課題に注目しており、彼女たちが静かにキャリアを離れていく現状を受けた取り組みです。実際、働く女性の中には健康不安を抱える方が多く存在し、それがキャリア選択に影響を与えているという調査結果もあるため、企業はこの現実に目を向ける必要があります。
何が「サイレントシフト」なのか?
「サイレントシフト」とは、企業が女性の健康問題に対して支援の在り方を見直し、人的資本の強化を目指す活動です。このプロジェクトの第一歩として、陽と人とパラマウントベッドが共同で実施する「Silent SHIFT 実行委員会」が主催する第1回カンファレンスが2025年11月17日に日本橋ホールで行われます。
このカンファレンスでは、2,000人の更年期世代女性を対象にした「キャリアとヘルスケアに関する価値観調査」の結果が公表されます。調査の結果から、キャリア継続に対する意識や働き方の見直しに関する新たな傾向が浮かび上がると期待されています。
背景にある健康課題
パラマウントベッドは2023年から、女性の健康支援を目指した「sleep×femtech」というプロジェクトを推進しています。更年期世代の女性が安心して働ける環境を提供するため、株式会社陽と人と共同で開発した「Menorista.」というサービスを企業に提供しています。このサービスでは、職場研修や支援プログラムを通じて、より健康的な働き方を促進しています。
しかし、その中で見えてきたのは、女性たちが健康上の不安を抱えながらも声を上げづらい環境にいるという現実です。この「静かな諦め」を変えるため、両社は「サイレントシフト」を立ち上げたのです。
調査から見える実態
陽と人とパラマウントベッドは、2025年の5月から6月にかけて、2000人の働く更年期世代女性を対象に調査を行いました。その結果、約半数が不眠症状を抱えていることが明らかになりました。また、昇進意欲への影響が不眠や更年期症状と関連し、働き方やパフォーマンスに影響を及ぼしていることもわかりました。
調査の中で、10年前の自分と比較して今の働き方に「悲しみ」を感じると回答した割合が高いことも示されており、女性たちが抱える複雑な心理が浮き彫りになっています。
カンファレンスの詳細と今後
第1回カンファレンスでは、調査結果の発表に加えて、専門家や企業経営者たちによるパネルディスカッションが実施され、人材流出の課題や支援策が議論される予定です。このイベントは、日本の働く女性が直面する現実を乗り越えるための重要な機会となるでしょう。
将来的には、「サイレントシフト」は男性を含む多様な層を対象にした調査も視野に入れており、より多くの視点を取り入れることで、社会全体に新たな気づきをもたらすことを目指しています。陽と人は、すべての人がより良い働き方と生活を実現できるよう、「しあわせ・笑顔・豊かさの循環」をビジョンに掲げ、活動を続けていく所存です。