辻口博啓のショコラが描く日本の柑橘の魅力
辻口博啓氏がオーナーショコラティエを務める「LE CHOCOLAT DE H(ル ショコラ ドゥ アッシュ)」は、フランス・パリで開催された「サロン・デュ・ショコラ」において、世界最大級のショコラ品評会「C.C.C.」(Club des Croqueurs de Chocolat)から金賞であるゴールドタブレットを9回連続で受賞するという偉業を成し遂げました。この快挙は、彼の独自の感性と技術に裏打ちされた、チョコレート作りへの情熱の賜物です。
今回の受賞作品のテーマは「日本の柑橘」。辻口氏は、日本各地から選ばれた4種類の柑橘を組み合わせて、オリジナルのボンボンショコラを制作しました。これには、日本最古の柑橘と言われる「大和橘(やまとたちばな)」をはじめ、温州みかん、すだち、柚子が使われており、これらの柑橘が持つ独自の風味を巧みに引き出しています。
日本柑香の魅力
出品された「日本柑香(にほんかんか)」は、税込2,600円で販売予定。4粒それぞれが、日本の柑橘の特性を生かしたショコラに仕上げられており、以下の種類が含まれています。
1.
温州みかんと和ハッカ
- 日本原産の温州みかんの甘味と酸味のバランスを大切にし、カカオ41%のショコラオレのガナッシュとパートドフリュイで表現されています。和ハッカの爽やかな香りが加わり、みかんの優しい味わいが際立つ一品です。
2.
すだちノワゼット
- 徳島県産のすだちの鮮烈な酸味を利用し、香り高いガナッシュが作られています。自家製ヘーゼルナッツのプラリネが、すだちの風味を生かした全体の味わいを引き立てます。
3.
大和橘
- 絶滅の危機にある大和橘を果汁・皮・葉から作り出した一粒です。芳醇な香りとフルーティーな味わいを持つブラジルとコスタリカのカカオと融合し、特別な味を生み出しています。
4.
柚子とよもぎ
- 柚子の心地よい香りに、和の香草であるよもぎがマリアージュ。コスタリカ産とドミニカ共和国産のカカオで作ったショコラが二層の美しさを持ち、独特な和の味わいを表現しています。
受賞の背景
辻口氏は、出品にあたり、「日本の柑橘」の魅力を引き出すため、幾度も試作を重ねてきました。柑橘のもつ香りや塩味、えぐみを見事に昇華させた結果、今回の受賞につながったとのこと。彼の想いは、ショコラを通じて日本の風土や味覚文化を感じてほしいというものでした。
さらに、F.W.という評価を下さったC.C.C.のコメントでも、見事に表現された素材の組み合わせや味覚の体験が絶賛されています。「まるで日本の植物園を旅しているかのよう」との評価もありました。ショコラを通じて、他国の方々にも日本の美しさと風味を届けるという辻口氏の情熱は、今後も続いていくことでしょう。
商品の取り扱い
この受賞したショコラは、1月中旬からLE CHOCOLAT DE Hの店舗及び全国のバレンタイン催事にて発売を開始します。日本の特産品を取り入れた魅力的なショコラを、ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。日本の柑橘が煌めく一粒には、辻口氏の熱い思いが詰まっています。