ファイバークレーズの新技術!
汗の力で肌に美容成分を届ける、そんな夢のような技術が岐阜県のスタートアップ、FiberCraze株式会社によって実現しました。ナノ多孔ファイバー「Craze-tex®」に含まれる成分が、着用時の汗を利用して肌に吸収されるという新発想は、今後のファッションと美容の融合を進めそうです。
研究の背景
従来の機能性テキスタイルでは、表面に施されたコーティングやマイクロカプセルにより、成分が急激に放出されてしまう「初期バースト放出」の問題がありました。さらに、実際に肌へ成分が移行するかどうかの証拠も不足していました。そんな中、ファイバークレーズが開発したCraze-tex®は、ナノレベルの孔を持つ独特の構造により、汗の力を利用してゆっくりと美容成分を肌へと運ぶ設計を構築しました。
具体的な研究成果
2025年の日本皮膚科学会で発表されたこの研究では、Craze-tex®に含まれたシルクセリシンが、実際の着用時にどれだけ皮膚に残留するかを測定しました。結果として、皮膚残留性比率が3.28という数値を記録し、有効成分が確実に肌へと届くことが証明されました。これは、今までの技術では味わえなかった新たな価値を提供します。
どのように機能するのか?
Craze-tex®は、ナノ多孔性により美容成分を繊維内部に貯蔵し、汗が表面を潤すことで成分がゆっくりと放出される仕組みです。これにより、表面コーティングされた生地に比べ、放出制御の自由度が高まります。セラミドやアミノ酸、抗酸化成分など多様な成分がこの技術に対応可能で、今後はこれらの成分を用いた製品の展開が期待されています。
安全性について
研究では、皮膚に対する安全性の観点からも調査が行われ、角層の水分、皮膚の温度、pHも安定していることが確認されました。特に、貼布後数分でのpH変動は見られましたが、大きな問題はなく、日常的な使用においても安心と言えるでしょう。
未来の展望
これからFiberCrazeは、テキスタイルの機能性をさらに追求していく予定です。就寝時に最適な持続型、日常用のバランス型、発汗に対応可能なスポーツ用など、用途に応じた放出プロファイルを設計し、より多様なニーズに応じた製品の開発を目指します。
まとめ
FiberCrazeが連携した明星大学や新潟県工業技術総合研究所との共同研究によって、ファッションと美容を融合させた先進的なテクノロジーが誕生しました。セリシンを利用したCraze-tex®は、ただの衣服ではなく、肌の美容を助ける新たなパートナーとなることが期待されます。今後の展開から目が離せません!