ロレアルによるビューティーテックの新潮流
世界的な化粧品ブランドであるロレアルグループが、第8回中国国際輸入博覧会(CIIE)に参加し、オープンイノベーションプログラム「Big Bangプログラム」を発表しました。これは、未来の美容業界を共に創り上げるための施策であり、日本を含む19社のスタートアップがこのプログラムに参加することが決定。特殊なトラックとして「サステナビリティ」部門も新設され、成長を続けるスタートアップたちとの共同作業が生まれています。
ロレアルの副CEOバーバラ・ラヴェルノ氏は、「イノベーションは流行語ではない。私たちは共創の力を信じている」と語り、ビジネスの現場で真の革新を生み出すためには、異業種とのコラボレーションが重要であると訴えています。彼女の考え方は、美の未来は画期的な製品だけではなく、協働によって成り立つというもので、開かれたイノベーションが鍵を握るとしています。
スタートアップとの絆
「Big Bangプログラム」は、2020年から実施され、これまでに北アジア地域を中心に世界へと広がりを見せています。特に注目すべきは、今回のプログラムに過去最多となる700社以上の応募があったこと。選考を経て選ばれたのは、日本のMatlantis株式会社と株式会社ZEALSを含む19社で、この中にはサステナブルな未来を見据えた革新を行っている企業も多く含まれています。
例えば、Rightwayの「カーボンネガティブ」素材は、ロレアルのサステナビリティイニシアチブに採用され、実際の製品開発に役立っています。また、FANGXINGWEIやXENSE ROBOTICSといった企業も、ロレアルのサプライチェーンを強化するための新たな手法を探求しています。
CIIEでのインパクト
ロレアルはCIIEで北アジア各地のスタートアップを紹介し、消費者体験やデジタルテクノロジーの可能性を実証しました。特に日本の企業が新しい技術を駆使して、美容の未来に挑む姿勢は注目に値します。Matlantisの原子レベルのシミュレーション技術は、新素材開発を飛躍的に加速させる可能性がありますし、株式会社ZEALSは音声AIを活用した接客サービスの革新を提案しています。
北アジアBig Bangイノベーションサミット
CIIEの期間中には、受賞企業による授賞式とイノベーションサミットも開催されました。この場では、受賞企業の代表者がパネルディスカッションを通して、美のテクノロジーの未来について意見を交わしました。日本からは株式会社ZEALSのCEOが登壇し、オンラインでもおもてなしの精神を伝える重要性について熱弁をふるいました。
ロレアルは、これらの取り組みを通じて、未来に向けた持続可能でインテリジェントなビューティーエコシステムの構築を目指しています。オープンイノベーションによる共創が、美容業界にもたらす変革は今後ますます重要になっていくことでしょう。
ロレアルの挑戦
ロレアルグループは、115年以上にわたり化粧品業界のリーダーであり続け、美容への欲求やニーズに応えることに尽力しています。「世界をつき動かす美の創造」というパーパスを掲げ、持続可能かつ責任のある美を実現していく姿勢を貫いています。今後もロレアルが推進するビューティーテックが、どのように業界を変革していくのか、ますます期待が高まります。