株式会社NIL、シコニンの特許技術でスキンケア業界へ本格進出
株式会社NILが伝統素材であるシコニンを活用した新技術を発表しました。これにより、スキンケアにおいての新たな展開が期待されます。特に、独自の高濃度シコニン抽出技術と分散化技術の開発がポイントとなります。2025年11月14日に正式に登録されたこの特許は、肌質改善や日焼け防止の効果を持つ外用剤に関するものです。この新技術により、シコニンの安定配合が可能となり、効果的な水性スキンケア製品の製造が見込まれています。
シコニンの歴史とその利用
紫根の利点は、日本の古典書にも記録されており、その歴史は1000年以上にわたります。江戸時代には「紫雲膏」として知られ、火傷や創傷治療に用いられました。しかし、シコニンを水性スキンケアに応用する際には、色が退色しやすいことや、処方中で色ムラや沈降が生じる問題がありました。
NILの独自技術
NILが掲げた特許技術は、高濃度のシコニン抽出物に加水分解型タンニンとAMPS系高分子を組み合わせるものです。この技術により、シコニンを水性中でナノ分散させ、安定化を図ることに成功しました。これまで難しかった水性製品への応用も、今後期待できるでしょう。
長期安定性データの成果
実際に2023年2月に試作したクリームは、2025年11月時点でも顕著な変化が見られず、2年以上の安定性を確認しました。このデータは、NILの技術力を裏付ける重要な証拠です。さらに、2024年から2025年にかけて行われたVISIAによる肌画像解析では、赤みや紫外線シミの改善が確認され、多くの年代において肌質の改善傾向が見られました。
特に20代女性では炎症や皮脂の反応が、50代男性は毛穴改善が、60代男性では紫外線シミの軽減が報告されました。このように、年代ごとの悩みを多面的に解決する可能性が示唆されています。
今後の展開
NILは、シコニンの分散・安定化技術を基盤に、デイクリームや美容液、化粧下地などの製品ラインを拡充していく計画です。また、シコニンの高純度原液も販売予定です。これにより、日本の伝統素材を活用した画期的なスキンケア製品が市場に登場することになります。
まとめ
CEOの佐藤さんは、「シコニンを現代のスキンケアに実装します」と述べており、コア技術を駆使して新しい肌反応を設計する試みが進められています。NILの技術は、今後のスキンケアのあり方を一新するかもしれません。NILの挑戦が、私たちの肌をより美しくする道を開くのが楽しみです。