SNS時代のコスメマーケティング—生活者理解の新たなアプローチとは？

SNS時代のコスメマーケティング

デジタル時代、特にSNSが生活の一部となった現在、コスメマーケティングのあり方も変化を求められています。その中で注目されているのが、KEEN株式会社が発表したレポート『コスメマーケティングに重要な「界隈」の切り口』です。このレポートでは、生活者の多様な価値観やニーズを捉える新たな視点を提供しています。

増加するSNS投稿

近年、SNS上での美容情報の投稿が急増しています。多くの人が自分の肌の悩みや製品体験を共有することにより、これまでには見えなかった生活者の価値観やライフスタイルが可視化されています。しかし、投稿が増える一方で、従来の「属性」でのマーケティングアプローチには限界があるとも言われています。「20代女性」といった大まかな枠組みでは、個人のニーズを的確に捉えることは難しいのです。

新たな視点「界隈」

このレポートが注力しているのが“界隈”という概念です。同じ年齢や性別の見知らぬ他者の投稿内容によっては、まったく異なる感情や反応を引き起こすことがあります。たとえば、敏感肌の方が提案する製品は、ライフスタイルや購買態度に大きな影響を与えます。そこで、本レポートでは生活者をより具体的に理解するために興味関心や行動に基づいた分析が行われています。

5つの界隈レイヤー

報告書では、コスメに関連するSNSユーザーを5つの“界隈レイヤー”に分類しています。以下の項目が挙げられています。

1. 悩み・ニーズ - それぞれが抱える肌の悩みやニーズ
2. 成分・技術 - 特定の成分や技術に焦点を当てた投稿
3. 価値観 - ブランドや製品に対する考え方
4. 価格・購買態度 - 購入時の選択基準や価格感
5. ライフイベント／趣味カテゴリ - 結婚、育児、趣味などライフイベントに関連した界隈

各レイヤーを深堀りすることで、それぞれの界隈がどのように形成されるのか、どのような投稿が響くのか、また有効な訴求手段は何かを整理しています。

今後の展望

このレポートは、2025年6月時点の仮説や観察をもとに組み立てられていますが、常に変化するSNS環境や生活者の価値観に対応するため、継続的なアップデートが予定されています。KEENは、ブランドと生活者との長期的な関係構築を目指し、ギフティングやキャンペーンを通じて創出されるエンゲージメントを大事にしています。

KEENの取り組み

KEENの使命は、生活者が自分自身の価値を見出し、ブランドとコミュニティを通じて、より良い製品体験を享受できるようになることです。「KEEN界隈DB」や「KEEN Manager」といったツールを駆使し、特定の興味を持ったコミュニティを可視化・分析。これにより、ブランド価値を高め、ユーザーとの良好な関係を築く活動を行っています。

新たなコスメマーケティングの時代、あなたもこの“界隈”について考えてみてはいかがでしょうか。