アートと食が織りなす地域支援の物語
東京都品川区に本社を置くオイシックス・ラ・大地株式会社(以下、オイシックス)は、経済産業省とForbes JAPANが主催する「ART & BUSINESS AWARD 2025」において、アートとビジネスの融合を目指すプロジェクトでファイナリストに選ばれました。このプロジェクトの核心は、食とアートを通じて地域課題に立ち向かうことです。
経済産業省とForbes JAPANが推進するアートとビジネスの協働
「ART & BUSINESS AWARD 2025」は、企業とアーティストが協力して新たな経済価値を創出する活動を評価するアワードです。今年の初回企画には、150を超えるプロジェクトがエントリーし、オイシックスは「アートコラボレーション」カテゴリーで注目されました。これにより、企業の事業運営にアートの力を取り込む重要性が広がっています。
地域の課題解決とアートの力
このプロジェクトは、新潟県越後妻有地域にある大地の芸術祭との協働からスタートしました。大地の芸術祭は、地域のアート活動を推進することで地域課題の解決を図ることが評価されながらも、開催期間外の運営資金確保が課題でした。
越後妻有地域では、農業の担い手不足や高齢化といった食に関連する深刻な問題が存在しています。オイシックスは、食を通じて社会問題を解決するという理念のもと、この地域の課題解決に乗り出しました。アートと食を結びつけることで、顧客に新しい購買体験を提供しつつ、地域への支援を実現する仕組みが生まれました。
コラボ商品の販売と地域支援の土台
プロジェクトの一環として、大地の芸術祭に参加するアーティストがデザインしたパッケージを用いた商品を発売しています。これらは「コラボ商品」として販売され、売上の3%は大地の芸術祭を運営するNPO法人に寄付される仕組みです。この取り組みにより、消費者は日々の買い物を通じて地域支援に貢献できるようになります。
これまでに集まった支援金額は約3000万円にのぼり、地域のアート作品の維持管理や運営費の確保に役立てられています。さらに、コラボ商品の販売数量は前年に比べて平均6.3倍に増加し、企業のブランド価値と顧客エンゲージメントの向上にも貢献しています。
アートを通じた新たな企業文化の創造
オイシックスのプロジェクトは、社内へのアートの導入も含まれます。例えば、オフィス内の壁画は、企業理念を表現し、社内外への理解を促進するために制作されました。このアートが持つ力は、企業の活動を学びやすくし、関係者との共鳴を生む手助けをしています。
最終的には、アートとビジネスの共創を通じて、新たな経済価値を創造し、持続可能な地域支援の形を模索しているオイシックス。これからの展開に目が離せません。