京都府立「嵯峨野高等学校」と「雲上茶寮」のコラボレーション
宇治市にある日本茶カフェ「雲上茶寮」では、源氏物語をテーマにした和菓子の新作が登場します。今年の秋から冬にかけて、京都府立嵯峨野高等学校の生徒たちが考案したデザインが、アーティスト西野彩華の手により素晴らしい形を成しました。これらの上生菓子は、「夕顔」と「六条御息所」と名付けられ、物語に沿った特別な意味があります。
季節に寄り添った上生菓子
毎年、雲上茶寮では源氏物語の宇治十帖に登場する和菓子を、各月限りの限定で提供しています。これに今年の11月と12月は特に、嵯峨野高等学校の生徒たちが参加したことで、より京都らしい、そして文学的な情緒を感じることができるメニューが生まれました。これらの和菓子は、まるで物語の中に入り込んだかのような体験を提供してくれます。
上生菓子「夕顔」
価格:¥550(税込)
夕顔は光源氏が六条御息所と交際していた際に出会った女性で、その名前の由来はその美しい白い花に由来しています。夕顔の姿は、光源氏の心を掴み、互いに素性を隠したまま熱烈な恋に落ちるという非日常的な要素を含んでいます。しかし、その愛は悲劇的な展開を迎え、物の怪に襲われて命を落とすのです。
この和菓子は、彼女の優しさと短い生涯を表現し、明るい色合いに包まれた細工でつくられています。散った花びらは儚い命を象徴し、幻想的な時間を味わうことができます。
和菓子「六条御息所」
価格:¥550(税込)
六条御息所は光源氏の初期の恋人の一人で、魅力的な性格を持つ女性です。しかし、彼女の強い嫉妬心が彼女を苦しめ、光源氏との関係に複雑さをもたらします。この和菓子では、彼女の内面的な葛藤を表現するために、色使いが工夫されています。
外見は彼女が抱える深い想いを表すかのように設計され、さらには嫉妬の感情を象徴する黒色も使用され、和菓子の中に詰まった赤色の部分は、秘められた恋心を表現しています。
和菓子を通じて源氏物語を感じる
秋から冬への移ろいを感じるこの時期、雲上茶寮での特別なひとときを過ごすことができます。エピソードを彷彿とさせる和菓子とともに、日本茶を楽しむ体験は、より一層心に響くことでしょう。
これらの上生菓子を注文した方には、源氏物語に関するアンケートも実施しています。若者たちに古典文学への関心を高めてもらうための試みとして、皆様のご意見をお待ちしております。
雲上茶寮について
「雲上茶寮」は宇治の源氏物語ミュージアムに併設され、美しいスイーツと日本茶を楽しめる空間です。自然に囲まれた静かなロケーションで、特別なひとときをお過ごしいただけます。相応しいお茶を選び、心地よい香りとともにお楽しみください。
皆さんもこれらの美しい和菓子とお茶を楽しみながら、秋の深まりを感じてみてはいかがでしょうか。雲上茶寮で、源氏物語の世界に浸る特別な体験をお楽しみください。