木桶で伝統を守る
2025-11-25 15:45:47

日本最大級の国産杉の木桶が誕生!伝統の味を未来へ

日本最大級の国産杉の醤油木桶が誕生!



日本の伝統的な調味料、醤油。その生産地として知られる和歌山県湯浅町に、国産杉を使用した大きな木桶が新たに導入されることが発表されました。この木桶は直径3.4メートル、高さ5.5メートルの規模を誇り、国産杉を用いたものとしては日本で2番目の大きさを持っています。この木桶の導入によって、醤油の製造数量が大幅に増加することが見込まれています。

木桶導入の背景



和歌山県湯浅町は、醤油発祥の地として名高く、その地で1881年に創業した老舗会社『丸新本家』が運営する湯浅醤油有限会社が、今回の木桶を導入しました。木桶仕込みは効率的な機械仕込みに比べると生産性が劣るため現在では全体の1%にまで減少していますが、その独自の風味と香りを生み出す製法として再評価されています。

4代目が機械生産への転換を考えた際、現社長の新古敏朗氏は「伝統を失ってはいけない」との信念のもと、木桶仕込みの維持を決定しました。その結果、140年以上も使用されてきた吉野杉の木桶を修理しながら大切に使用し、さらには新たな木桶を製造することに至ったのです。

木桶の特徴



新たに導入された木桶は、国産杉材を100本使用し、釘などの金属部品を使わずに木材同士を組み合わせて製造されています。外側には「締め付けバンド」が施されており、強度と密閉性を保持しています。特に、桶の内側には漆が塗られており、杉の香りが一気に醤油に移ってしまわないように工夫されています。このおかげで、木桶の優れた発酵環境を最大限に引き出しつつ、醤油本来の風味を損なうことなく仕込むことが可能です。

新しい木桶の導入により、月間約4,000リットルの増産が行える体制が整いました。これにより、今後の需要拡大にも対応できるでしょう。

代表者のコメント



新古氏は、「醤油醸造の発祥地で木桶の伝統を守ることは地域文化の継承です。昔は短時間で品質を実現することが求められ、木桶製法が消えかけていましたが、今は過去の良さが再評価されつつあります。今回の新木桶は未来への第一歩であり、日本の醤油文化を再確認してもらえる機会になると確信しています」と語りました。

今後の展望



新しい木桶で仕込まれた醤油が市場に出回るのは2028年頃を予定しており、期待が高まります。さらに、2025年12月には報道関係者向けの木桶お披露目会や一般向けのイベントも予定されており、これに参加することで醤油の奥深い世界を実体験することができます。

お披露目イベントの情報



  • - 日時: 2025年12月13日(土)
  • - 会場: 湯浅醤油九曜蔵。
  • - 参加費: 無料。
  • - 内容: 工場見学と共に新木桶についての詳細を聞ける貴重な機会。

このような取り組みによって、伝統的な醤油製造の魅力が再評価され、より多くの人々にその価値が伝わることでしょう。新しい木桶は単なる道具ではなく、未来の醤油文化を支える重要な存在となるのです。


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