2025年が切り拓く冷凍寿司の新時代
2025年を「冷凍寿司元年」と位置づけ、デイブレイク株式会社が主催したイベントが9月19日、東京・有楽町で開催されました。このイベントには150名の来場者が参加し、約500貫の冷凍寿司が販売される大盛況でした。
寿司の冷凍に対する常識の挑戦
「寿司は冷凍できない」と長らく信じられていましたが、近年の冷凍技術の進化により、握りたての鮮度に迫る高品質な冷凍寿司が可能になりました。特に2025年には、名店ブランドも続々と参入し、冷凍寿司は単なる保存食の枠を超え、新たな市場を開拓する存在となる可能性を秘めています。
イベントでは、アートロックフリーザーという特殊冷凍機で生み出された寿司が、数量限定で販売され、冷凍寿司の進化が強調されました。
パネルトーク - 各社の挑戦と取り組み
前半は、参加した事業者によるパネルトークが行われ、それぞれの強みや研究のポイントが共有されました。江戸前寿司ちかなりの近成社長は、食べたい時に迅速に提供できる商品を目指し、解凍方法の研究に注力していると説明。また、鮨 銀座おのでらの鬼久保氏は、サシの最適化を追求し、宿泊施設やスーパーでの展開も視野に入れていると述べました。
金沢まいもん寿司の今井室長は、国内外で安定した品質を保つためにシャリに注力していると語り、ちよだ鮨の小野寺部長は、誰が解凍しても同じ品質を維持できる商品開発に取り組んでいると説明しました。
このような各社の努力に対して、参加者からは「とても勉強になった」という反応が続出しました。
冷凍寿司の実際の味わいを体験
パネルトークの後には、参加者が各ブランドの冷凍寿司を実際に味わう機会が設けられました。来場者たちはその味を体験し、「想像以上の美味しさ」と評価しました。冷凍された寿司は飲食店でも提供可能なレベルで、特にシャリの食感やネタの質に満足する声が多く寄せられました。
例えば、江戸前寿司ちかなりは、まぐろやサーモンを150円から200円で提供し、銀座おのでらは400円の金目鯛昆布〆が話題を呼びました。各社が自信を持って提供する寿司は、フードロス削減に寄与し、職人の労働環境の改善にも一役買うと期待されています。
差し迫る今後の展望
冷凍寿司は、日本の食文化を守りつつ、新たなビジネスチャンスを生むことが期待されています。農林水産省が開催する試食会でも高い評価を得ており、将来的には国際的な市場にも進出する計画があります。つまり、冷凍寿司は単なる料理ではなく、持続可能な産業の確立に寄与する重要な要素となるでしょう。
デイブレイクは、今後も事業者との連携を深め、冷凍寿司の魅力を広めていく意向です。まさに冷凍寿司の未来が、国内外での日本食文化の普及と持続可能な食産業の発展に繋がることは間違いないでしょう。私たちも、その進化を見守りたいものです。