最新調査が示す、若い世代の「ニュース回避傾向」とその背景に迫る
近年、ニュースに対する意識の変化が見られ、特に若い世代において「ニュース回避傾向」が顕著です。スマートニュース株式会社が行った「スマートニュース・メディア価値観全国調査2025(SMPP調査)」が、その実態を明らかにしています。この調査によると、全体の18%が頻繁にニュースを避けていることがわかりました。
「ニュース回避傾向」の実態
今回の調査は、日本全国の約2117人を対象に行われました。その結果、特に注目すべきは、30代の「ニュース回避傾向」が全世代の中で最も高く、22%に達したという点です。一方で、60代ではこの割合が13%と低くなっています。このことから、若い世代はニュースから距離を置く傾向がより強いことが浮き彫りになりました。
「最近、あなたはあえてニュースを避けることがありますか?」という設問に対し、「頻繁に」または「時々」ニュースを避けると回答した割合は49%に達しました。これは、ニュースが日常生活に与える影響が無視できないものであることを示しています。
ニュースを避ける理由とは?
調査では、なぜ人々がニュースを避けたいと考えるのか、その理由も明らかにされています。「気持ちが暗くなる・気分が悪くなる」と回答した人の割合は61%に達し、トップに立ちました。そのほか、「関心の持てないニュースまで知りたくない」といった理由も支持され、ニュースの内容が心理面に及ぼす影響が問題視されています。
さらに、避けたいニュースジャンルでは、「芸能(有名人のゴシップ)」が最も高く、次いで「戦争・紛争」が続きました。このことから、特に好奇心をそそられない過剰な情報や、心を乱す内容を避けたいとする気持ちが根強いことが窺えます。
世代間の印象
世代別に見ると、30代は特にニュースを意識的に避ける傾向が強く、ビジュアルやセンセーショナルな見出しに消耗感を感じているようです。他方、60代はニュースを避ける意図は薄く、むしろ積極的に情報を求める姿勢が見られます。つまり、若い世代ほど、情報過多やその質に対して敏感であり、選り好みをする傾向が強いと言えます。
ニュース回避の背景
実のところ、ニュース回避は日本特有の現象ではなく、世界的な潮流でもあります。オックスフォード大学の調査によれば、あえてニュースを避ける人の割合は48カ国で40%に上るという結果も出ています。こうしたデータから見えてくるのは、特に情報が溢れる現代社会において、選択的に情報を受け取ろうとする姿勢が浮かび上がるということです。
スマートニュースが目指すのは、ユーザーが必要とする質の高い情報を届けること。今後もこのような調査を通じて、世代間の異なるニーズや、ニュース受信に対する考え方を深掘りし続けることが求められそうです。若い世代の心理を理解することが、メディアの存在意義を見直すうえでも重要な一歩になるでしょう。