特殊詐欺被害防止のための取り組みが茨城町で実施されました

特殊詐欺被害を防ぐための施策

茨城県茨城町で行われた取り組みについてご紹介します。この訪問は、警察庁特別防犯対策監の杉良太郎氏によるもので、特殊詐欺被害防止に向けた重要な講演が行われました。特に、特殊詐欺が深刻な状況であることをリアルに伝え、地域住民の防犯意識を高めることが目的でした。

特殊詐欺の現状

杉対策監は、今年11月までにSNSを利用した投資詐欺やロマンス詐欺により、被害総額が1000億円を超えたことを指摘しました。さらに、オレオレ詐欺を含む特殊詐欺の被害も約600億円に達していることに言及し、地域の人々の安全を守るための緊急性を強調しました。

杉氏は、特に海外からの詐欺電話が増加していることについて警戒を呼びかけました。彼は、「詐欺の電話や不審な電話を無料で遮断できる制度が存在します。この制度を利用することで、地域の安全を高め、詐欺被害をゼロにする手助けをしてほしい」と語りました。特に、NTTによるナンバーディスプレイなどの無償化制度や、国際電話の利用停止を広めることを町長と協力して進めていく重要性を訴えました。

生徒への講演

その後、杉対策監は茨城町立青葉中学校で特別授業を開催しました。ここでは、生徒たちに特殊詐欺の実態や影響を詳しく説明し、どのように自らとその家族を守ることができるかについて考えさせました。「家族が被害に遭わないよう、ナンバーディスプレイを申し込み、情報を周知してほしい」と生徒に強く呼びかけました。

杉氏は、「『闇バイト』という言葉は軽く考えることができるが、実際にはそれは犯罪である」と警鐘を鳴らしました。彼は、自らの過去の体験を交えながら、安易な気持ちで犯罪に関わることの危険性を伝え、「その結果、自分の人生が破壊されてしまう」と、生徒たちにメッセージを送りました。

質疑応答と生徒の反応

講演の際、生徒たからは多くの質問が寄せられました。「これから特殊詐欺や犯罪者募集は増えるのか？」との問いに対し、杉対策監は特殊詐欺が電話を通じて行われる犯罪であることから、遮断する施策が広がれば被害を大幅に減らすことができると説明しました。また、警察は必ず犯人を捕まえるという強い決意を示し、「特殊詐欺を根絶する活動を続けていく」と話しました。

青葉中学校の生徒たちは、杉氏の講演後に「『闇バイト』という言葉が持つ軽さに驚いた」「SNSの利用や詐欺のリスクについてより注意深くなりたい」との感想を述べ、学びがあったことを伝えました。