山梨の柚子が生んだ新たなスイーツ文化とその魅力を探る講習会
山梨県立博物館内にある「Museum café Sweets lab 葡萄屋kofu」にて、2023年1月19日に行われた特別な講習会が、県産柚子をテーマにしたスイーツスキルアップを目的としたものです。このイベントは、山梨県の観光消費の向上や、県内でのスイーツの提供機会を広げるために、昨年度から実施されているものです。
講習会の背景と目的
今回の講習会には、パティシエやスイーツに関わる約10人が参加。参加者は金子博文グランシェフによる柚子の扱い方のデモンストレーションや、有識者による柚子の歴史的背景や食文化に関する講義を受け、素材に対する理解を深める貴重な機会となりました。
参加者を迎える古屋浩氏の挨拶
株式会社プロヴィンチアの代表である古屋浩氏は、講習会の冒頭で自身が開発に携わったメニューを通じて、富士川町産の柚子の魅力を知ったことを説明しました。そして、京都大学の北島名誉教授や香美市の百田美知氏をお迎えして、スイーツ制作における素材の素晴らしさを学ぶ意義を語りました。
講義の内容と魅力
ユズの起源に迫る講義
京都大学名誉教授の北島宣氏による講義では、一般的なユズの特徴やその利用方法に加え、DNA解析に基づく在来柑橘の起源について詳しく解説されました。ユズが日本に伝わった背景には、修験道の修行僧や歴史的な移動があったと触れ、富士川町のユズについても特別な注目を集めました。
高知県の食文化と柚子の使われ方
続いて、合同会社EKRの百田美知氏からは、高知県の「酢みかん」や各家庭での「ゆのす」の使い方について説明がありました。また、彼女の手作り「ゆずの皮の辛子煮」の試食もあり、参加者は実際に香り高い柚子の活用方法を体感しました。
スイーツ制作とその美味しさ
講習会では、金子博文グランシェフの指導のもと、実際のスイーツ制作にも取り組みました。「柚子のアシェット」では、富士川町で収穫されたせっかくの柚子を使い、その甘さと香りを引き立てる工夫が施されました。特に、柚子と白餡を合わせたクリームは、参加者たちの驚きと喜びを引き起こしました。
地元素材のパンも試食
参加者は、地元産の小麦粉や塩を使った「柚子を使用したパン・ド・カンパーニュ」も試食できます。金子シェフの特製柚子クリームとの相性が抜群で、山梨県の素材の豊かさを再認識する瞬間を持ちました。
若手の挑戦と未来
講座は、若手パティシエたちの支援プログラムの一環として「柚子とそば粉のビスコッティ」も発表されました。彼らが開発した新しいスイーツが「焼き菓子Pinna」として販売予定で、その裏には二人の思いが込められています。
参加者の声
受講後の参加者からは、「柚子に対する偏見がなくなり、自信を持って挑むことができるようになった」という声や、「ユズの面白さや、地域に根ざした素材が持つ力について学べた」といった高評価が寄せられました。このように、参加者同士や講師との距離感が非常に良かったことも印象的でした。
今後の展望
山梨県では、今後も多様な果物をテーマにした講習会を通じ、地域特産品を活かした新しいスイーツ文化を広めていく予定。次回は3月末にイチゴやレモンをテーマとした講座が開催される予定です。詳細は山梨県の公式ホームページから確認できます。
山梨県公式ホームページ