エスペックが提案する新たな冷凍技術
2025年4月、エスペック株式会社が新しい冷凍装置「超低温ショックフリーザー」を発表します。この製品は-70℃という極寒の環境で食品を急速冷凍し、特に生鮮食品の鮮度を保持することを目的としています。
食品鮮度を守る冷凍技術
近年、フードロスが社会問題として取り上げられる中、長期間食品を保存するための冷凍技術が注目されています。しかし、従来の冷凍方法では風味や食感が損なわれるという課題が存在しました。「超低温ショックフリーザー」は、その独自の技術でこれらの問題を克服することを目指します。
この新しいフリーザーでは、食品内の水分が氷結晶になり、これが成長することで組織や細胞が破壊されるのを防ぎます。具体的には、食品の冷凍時に特に氷結晶が大きくなる温度帯である+0℃から-5℃をわずか35分以内に通過することができるため、鮮度をしっかりと保つことができます。この技術は、食品廃棄の削減に寄与します。
機能と操作性の向上
「超低温ショックフリーザー」は、単に冷凍するだけでなく、冷凍から保存、解凍、再加熱までを自動運転で行えるという特徴も持っています。温度範囲は-70℃から+100℃まであり、精密なプログラム運転により、作業効率の向上と省人化も実現しています。これにより、厨房や食品加工現場での労働負担を軽減し、より効率的な業務運営が可能になるでしょう。
さらに、庫内の乾燥運転が可能で、清潔な状態を保つことが容易です。食品の衛生面も安心して使用できる要素の一つとなっています。
新規事業への取り組み
エスペックは、環境創造技術を基にした新しいビジネスモデルの開発に取り組んでおり、特に食品機械分野での市場開拓に注力しています。「超低温ショックフリーザー」はその一環であり、グループ会社であるエスペッククリヤラボ株式会社と連携し、環境と食品加工技術の融合を目指しています。
これまでにも、科学的な調理が行える「減圧低温加熱調理器」や、熟成を可能にする「熟成庫」など、多くの革新的な製品を提供してきました。これらの新技術は、特に食品業界に革命をもたらす可能性を秘めています。
今後の展望
エスペックは今後もユニークで革新的な製品を提案し、食品に関する様々な課題の解決に取り組んでいくと述べています。「超低温ショックフリーザー」は、その第一歩として期待される商品であり、食の未来に大きな影響を与えることでしょう。
この新しい冷凍技術が私たちの生活にどのような変化をもたらすのか、目が離せません。