設立50周年を迎えた三共食品が60億円達成の舞台裏

三共食品の成長物語

2025年に設立50周年を迎える三共食品株式会社（愛知県豊橋市）は、売上高60億円を達成し、その記念すべき年を飾りました。彼らのキャッチコピー「食べる“わくわく”を世界中に」は、業務用食品から家庭用商品まで、多彩な考えを反映しています。

成長の原動力

三共食品がここまで成長した理由はいくつかの柱に集約されています。1975年に設立されたこの会社は、乾燥野菜や天然調味料エキスの製造からスタートしました。2000年頃には外食産業向けの業務用食品市場にも進出し、売上は30億円を超える成長がありました。

1. 社風改革による職場環境の改善

中村俊之社長が就任してからは、社風の改革に注力。職場を開放的なカフェ風にデザインし、社員同士のコミュニケーションを活発化させました。リニューアルされた社員食堂は、リラックスできる空間として機能しています。この環境が社員のモチベーションを高め、企業文化の向上につながっています。

2. データ駆動の営業プロセス

Salesforceの導入により、顧客データや売上情報のリアルタイム分析が可能になりました。営業チームは迅速な意思決定をしやすくなり、顧客との関係構築も進展しました。この営業基盤の整備が更なる成長を生んでいます。

3. 経営理念の浸透

経営理念を浸透させることで、社員のベクトルを揃えることも成功の要因です。「自ら考え、動く」という意識が社内に広まり、部門を超えた協力も進みました。

4. 営業拠点の拡大

東京、福岡、札幌に営業拠点を設置し、外食産業向けの営業体制を強化。この取り組みが、新しい顧客の開拓につながり、売上を後押ししています。

5. 人気商品の存在

2010年に発売された『食べるラー油』は、業務用・家庭用共に高評価を得ており、現在も470万個以上売れるヒット商品です。この商品が、三共食品のブランド力を支えています。

6. 社内活性化のための表彰制度

新設された「SANKYOFOODS AWARD」は、社員の日々の努力を評価する制度です。これにより、社員の意欲を高める文化を作り出しました。

7. 地域との連携

地元の食材を使用した新商品が好評で、地域活性にも貢献しています。『豊橋チキンカレー』や『豊橋ナポリタンソース』などのご当地商品は、ふるさと納税でも評価されています。

未来への挑戦

三共食品は、次なる第60期で100億円の売上を目指して、新たな施策を打ち出しています。アジアや欧米市場への進出を強化し、海の向こうからも「味」を届ける計画です。さらに、店頭で手に入る家庭用商品を増やし、地域密着型の商品開発をより一層推進していきます。

私たちの日常を彩る三共食品が、これからも目を離せないブランドであることは間違いありません。「食べる“わくわく”」を大切にし続ける姿勢こそが、この会社の真髄です。そして、代表取締役社長の中村俊之さんは、社員と共に挑戦し続ける意気込みを語っています。「変化を恐れず新しい価値を創造することが、今後の課題です。」