ファッション業界の温室効果ガス削減へ向けた新ガイドラインの策定

環境への配慮が求められるファッション業界

近年、気候変動が深刻な問題として浮上しており、企業はその影響を最小限に抑える努力が求められています。特にファッション産業は、その製造過程や物流において多くの温室効果ガスを排出するため、業界全体での取り組みが急務とされています。

このような背景の中、株式会社ワールドは、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会（JAFIC）が公表した「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定方法基本ガイドライン」に関する業種別解説に参画しました。この解説は、ファッション業界に特化した温室効果ガスの削減に向けた具体的な指針が示されています。

新しいガイドラインがもたらす変化

今回策定された解説は、環境省の支援を受けた「令和6年度バリューチェーン全体での脱炭素化推進モデル事業」において、JAFICが中心となり、ジャパンサステナブルファッションアライアンス（JSFA）や協同組合関西ファッション連合と連携して進められたものです。これにより、業界としての協力が進み、温室効果ガスの排出量の算定や削減の向上が期待されています。

特に、今回のガイドラインでは温室効果ガスの削減の考え方や、削減量および削減率の概算方法が具体的に示されています。これにより、各企業は自社の状況に応じたアプローチを取りやすくなり、削減施策を進めることが可能となります。

操作性を重視した設計

この解説は、各社が負担を感じることなく、スムーズに温室効果ガスの削減に取り組めるよう、設計されています。それぞれの企業が自社の状況に即した方法で取り組みを進められるため、業界全体の脱炭素化を促進できると期待されています。

実際、令和5年度に発行されたガイドラインがすでに多くの企業に活用されており、今後も同様の流れが続くことが期待されます。これにより、温室効果ガス削減に未着手の企業の積極的な取り組みが促進されるでしょう。

ワールドの具体的な取り組み

ワールドは、新たに策定されたガイドラインをもとに、毎シーズンごとに削減施策とその効果を評価し続ける方針です。特に、組成割合を反映させた原単位の可視化や、排出量削減の目標管理に関する事例が紹介されています。これにより、企業全体で持続可能な取り組みを継続し、業界全体にも影響を与えることを目指しています。

JAFICとサステナブルファッション

また、JAFICはアパレル・ファッション業界の活性化を目指して1979年に設立されて以来、様々な施策を通じて業界の課題解決に取り組んでいます。正会員138社、賛助会員130社を擁し、業界全体での連携が重要視されています。ワールドもその一員として、持続可能なファッションの実現に向けた努力を続けています。