株式会社河鶴の梅干し製造の裏側
和歌山県みなべ町に位置する株式会社河鶴は、国内最大の梅干し生産地であるこの土地で、地元産の梅を使用した梅干しの製造を行っています。創業から50年の歴史を持つ同社は、特に品質にこだわる梅干し作りを展開し、今年も漬け込みの最盛期を迎えています。
不作の中での挑戦
今年は2年連続の梅の不作という厳しい年となりました。しかし、河鶴の社長である河島伸浩氏は、地元の梅農家との信頼関係を築き、安定的に梅を供給する努力を重ねています。梅の収穫は6月に最盛期を迎え、7月から本格的な漬け込み作業が始まります。河鶴では、信頼できる農家からの供給を確保し、例年と変わらぬ品質の梅干しを消費者に届けることを目指しています。
徹底した品質管理
河鶴の梅干し製造では、「2度漬け製法」が最大の特徴です。この方法は梅本来の風味を大切にしながら、豊かな味わいを引き出すために考えられました。味付けははちみつ梅としそ梅の2種類のみですが、その正統派の製法にこだわることで、消費者に愛される梅干しを作り上げています。
大量生産の秘密
工場では、1日あたり3〜5トンの梅干しを製造しています。これは、全国の食卓に届けるための生産体制が整っているからこそ。河鶴は地元に契約農家を20件以上抱え、既存の流通ルートを経ずに梅を仕入れる独自のシステムを確立しています。
農家の努力に感謝
河島社長は、今年は農家の皆さんのたゆまぬ努力の結果として、部分的にでもしっかりとした梅を収穫できたことを喜ばしく思っています。梅に込められた農家の思いを受け止め、丁寧に漬け込み、「梅干し」として仕上げることが河鶴の使命なのです。
地域との絆
和歌山県みなべ町は、全国有数の梅の産地として知られ、南高梅などの品種が有名です。河鶴はこの地域を拠点に、梅干しを製造するだけでなく、地域経済の発展にも寄与しています。地元産物の使用はもちろんのこと、農家との協力を通じて地域の振興にも貢献しているのです。
結論
厳しい環境の中で困難に立ち向かう株式会社河鶴は、これからも地元の梅を使い、品質本位のものづくりを行い続けていきます。河鶴の梅干しには、農家の思いと、消費者への愛情が込められています。これからも多くの人々の食卓に、変わらぬ美味しさを届けていくことでしょう。