これまでにない音響体験を実現するファブリック
愛知県名古屋市に本社を構える株式会社サンゲツは、音の出るファブリックの商品開発に向けて株式会社槌屋とそのグループ企業である槌屋ティスコと共同開発を行うことを発表しました。このプロジェクトは、空間デザインにおける新しい価値を見出すことを目指しており、イノベーション戦略室を新設し、11月から具体的な開発を始めています。
音の出るファブリックとは?
「音の出るファブリック」は、特別なフィルムと電極シートを布に組み込んだ革新的な製品です。これにより、布自体がスピーカーとして機能し、空間全体で均一に音を再生します。特に中高音域に優れた音質を持ち、自然で心地よいサウンドを体験できるのが特徴です。この布状スピーカーによって、従来のカーテンや椅子生地などに新たな音響機能を持たせ、視覚だけでなく聴覚にも訴える空間を創造することが可能となります。
インタラクティブな体験の提供
さらに、このファブリックにはインタラクティブな要素も含まれています。長尺の音の出るデザインを設置し、その間を歩くことで、音が人に追随するという新しい体験が可能になります。これによって、利用者はより没入感のある環境を楽しむことができ、多様な体験価値が提供されることが期待されています。
共同開発の背景と目指す未来
今回の開発において基本技術は国立研究開発法人 産業技術総合研究所からライセンスを受けたもので、槌屋と槌屋ティスコがその実現に向けて手を組みました。サンゲツは創業1849年以来、壁や床、ファブリック製品を通して空間づくりに寄与してきましたが、現在は「スペースクリエーション企業」に進化を遂げています。
槌屋は、高度な繊維加工技術を駆使し、様々な製品展開を行っています。両社の長年の経験と技術を活かし、音響機能をインテリアファブリックに組み込む共同開発は、デザインと音響の融合を図り、さらに豊かな生活空間を提供することを目指しています。
今後の展望
共同開発の進捗とともに、この音の出るファブリックが様々な空間で実用化される期待が高まっています。サンゲツは、この新しい技術を応用し、具体的な製品化や空間提案の開発を進め、より多くの人々に新しいライフスタイルと体験を提供するプランに取り組んでいます。
私たちの暮らしは、常に進化を続けており、空間デザインもその一部です。サンゲツと槌屋の新しい挑戦に期待が高まります。