持続可能な農業を目指す「NEWGREEN RICE Project」とは？

株式会社NEWGREENとBASFジャパン株式会社が手を組み、日本の水稲栽培におけるカーボンファーミングプログラムの実現に向けた新たなプロジェクト「NEWGREEN RICE Project」を開始します。このプロジェクトの主な目標は、農業における温室効果ガス（GHG）の排出を削減し、環境負荷を軽減しながら農業者に経済的なインセンティブを提供することです。

プロジェクトの詳細

この「NEWGREEN RICE Project」は、2026年までにカーボンファーミングのパイロット運用を開始することを目指しています。プロジェクトの初期段階では、水稲栽培におけるカーボン認証プログラムの実現可能性を評価します。この取り組みにより、農業者は水の使用量を削減し、同時にメタンガスの排出量も低減することが求められます。メタンガスは二酸化炭素に比べて温室効果が25倍高く、日本のメタン排出量の約40%が水稲栽培によって生じています。これを受けて、NEWGREENは農業者への持続可能な仕組みの提供を目指します。

メリットと経済的インセンティブ

農業者は、GHGの排出削減に応じて認証カーボンクレジットを取得できるほか、メタン排出量の少ない米の生産に対する付加価値を創出できるようになります。このプロジェクトで生み出される環境的価値は、節水型乾田直播栽培の技術を通じて実現され、その結果として持続可能な水管理が進むことが期待されています。

さらに、BASFとNEWGREENは、国際的に認められたプロトコルに基づき、メタン削減の効果を測定・モニタリング・レポートしていきます。日本初となるこのカーボンファーミングプログラムは、持続可能な農業の未来を築くために重要な一歩となるでしょう。

取り組みの背景

日本国内での水稲栽培において、約97%が移植栽培によるものであり、そこでは水管理が重要な課題です。節水型乾田直播栽培は、メタンの排出を最大77%削減できる可能性があるため、その導入が求められています。プロジェクトにおける戦略的提携は、水の使用量を減少させるだけでなく、労働力コストの削減にも寄与します。

プロジェクトの展望

NEWGREENは、自社開発の「アイガモロボ」を活用した新たな取り組みも協働して評価します。「アイガモロボ」は自動で水田の草を抑えて水稲栽培の効率を高め、環境負荷を減少させる役割を果たします。

このように、NEWGREENとBASFの提携は、農業者にとっての生産性と収益性の向上を目指す共通の理念に基づいています。これにより、持続可能な農業を実現し、次世代にも優れた農業環境を残すことができると信じています。

結論

「NEWGREEN RICE Project」は、ただの農業プロジェクトではなく、持続可能な未来を見据えた革新的な取り組みです。どうすればより良い環境を作ることができるのか、農業者と消費者が共に考え、協力していくことが求められています。このプロジェクトが多くの人々に知られ、その成果が広まることを願っています。