久留米絣・藍染の老舗「藍森山」の再建
久留米絣の老舗「藍森山」が、豪雨被災から見事に再建を果たしました。この171年続く工房の再生は、地域の支援とボランティアの力によるものであり、若い世代による技術の承継と新たな挑戦が期待されています。
豪雨災害からの復興
2023年7月、九州北部で発生した記録的な豪雨によって、藍森山は大きな被害を受けました。50基以上の藍甕や作業場が泥水に浸かり、染料や設備はほぼ全てが壊滅状態に。世代交代や新プロジェクトを直前に控えていた矢先の出来事でした。
しかし、SNSを駆使したボランティア募集により、延べ100人以上の人々が駆けつけ、復旧作業が少しずつ進んでいきました。このような支援を受けて、クラウドファンディングにより新しい工房を建設することができたのです。
新しい工房、未来への約束
再建された新工房では、従来の伝統的な設備とともに、安全設計を施しました。この工房は、職人たちが安心して作業できる場所であると同時に、見学者が体験を楽しむ場としても生まれ変わっています。ここでは、久留米絣や藍染の技術を一般の人々にも体験してもらうためのプログラムが用意されており、特に若い世代に対する伝統文化の理解を深める活動が期待されています。
藍染体験の魅力
新工房では、藍染体験を通じて天然染料の魅力を感じてもらうことができます。藍染は手間がかかり、伝統的な技術を用いるため、一人ひとりの手で染める楽しさを味わえる貴重な体験です。このプログラムは小さなお子様や海外からの訪問者にも親しまれており、幅広い人々に自然の美しさを伝えています。
伝統と革新の融合
素晴らしいのは、工房が活用できない期間中にも新たな挑戦を続けていたことです。「草木染め」を含む新しい染色技術にも力を入れ、アパレル事業の幅を広げています。これにより、天然染料を使ったアート作品の創造にも挑戦しており、今後は国内外のアーティストや企業とのコラボレーションも視野に入れています。
ビジョンの拡大
藍森山・森山絣工房は、再建後も地域文化の発信と教育に力を入れています。多様な製品を生み出し、特注品やアート作品の制作も行っています。そして、新工房のオープニングセレモニーは6月8日に開催予定です。地域の方々やメディア関係者には、この新しい始まりを見守っていただきたいと思います。
生まれ変わった藍森山・森山絣工房にぜひ足を運び、久留米絣の素晴らしさとその未来を感じていただけることを心より祈ります。