キリンと東大がタッグを組む!スリランカの紅茶農園で自然を守る研究

キリンと東京大学が進めるスリランカ紅茶農園の環境研究



昨今、環境保全の重要性がさまざまな領域で叫ばれていますが、そんな中でキリンホールディングス株式会社と東京大学が新たな共同研究を発表しました。2025年6月から始まるこのプロジェクトは、スリランカの紅茶農園を舞台に、環境的インパクトを定量的に評価することを目的としています。

絶滅危惧種や固有種の生態系調査


この研究では、2025年9月から10月にかけて行われる生態系調査が注目されています。スリランカの現地研究機関であるスリジャヤワルダナプラ大学の研究チームが、絶滅危惧種や固有種、さらには多様な生物種が生息する様子を詳細に確認します。この調査には、最新のドローン技術を駆使した3Dマッピングが用いられ、現地の環境状態を深く理解することが期待されています。

調査の具体的成果


調査を通じて得られる結果には、以下のような重要な情報が含まれます:

  • - 絶滅危惧種の存在: 2012年に発行された「スリランカ国家レッドリスト」に掲載されていた動植物の一部が2025年でも生息していることが確認されています。
  • - 生物種の多様性: 調査地域には176種類の動植物が確認されており、その中には固有種も含まれています。
  • - 河畔エリアの重要性: 河畔の存在が水資源の保持や生物多様性の維持に寄与していることが明らかになっています。

これらの成果は、紅茶農園が地域の生物多様性にとっていかに重要であるかを示しており、調査結果はさらなる生態系の国際的な指標作成に寄与します。

ネイチャー・ポジティブへの取り組み


この研究は、ネイチャー・ポジティブな活動に向けた試みです。Natural Positive Initiative(以下、NPI)に関連する活動にて、企業は自社だけでなく、サプライチェーン全体で自然の状態を測定し開示する必要性が高まっています。キリンはその先駆けとなるため、サプライチェーン上流での調査を実施することで、企業が環境課題にどのように責任を持つかを示す志向を強化しています。

キリングループの過去の取り組み


キリングループは、すでにスリランカでの社会貢献活動を通じて、地域の発展に寄与してきました。2007年から教育支援や図書寄贈、環境再生型農業への取組などを進めています。2024年12月には、「リジェネラティブ・ティー・スコアカード」の運用を開始し、農園の持続可能性を向上させるための道筋を示します。

東京大学の役割


一方、東京大学の森川研究室では、過去15年間にわたりスリランカの社会と経済を研究してきました。彼らの研究は、地域の持続可能な発展や環境保全に関する重要な知見を提供することを目的としています。

未来への期待


キリンと東京大学の共同研究を通じて、環境問題の解決に向けた新たな知見が得られることが期待されています。生物多様性の保全や地域活性化の取り組みが進むことで、スリランカの紅茶農園が地域社会にとってどのような意味を持つのか、今後の結果に注目です。これからもキリングループは、自然との調和を求めつつ、持続可能な社会実現のために積極的に行動を続けていきます。

関連リンク

サードペディア百科事典: キリンホールディングス スリランカ紅茶 東京大学

トピックス(ライフスタイル・カルチャー)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。