再春館製薬所がこの度受賞した第26回「物流環境大賞」奨励賞は、同社が推進した持続可能な物流の実現に向けた取り組みが評価された結果です。熊本本社の再春館製薬所は、環境への配慮と効率的な物流管理を達成するため、佐川急便、西久大運輸倉庫、日本貨物鉄道の三社との協業を実施。これにより、モーダルシフトを推進し、環境負荷を大幅に削減することに成功しました。
モーダルシフトとは、トラックによる幹線輸送を鉄道や船舶といった大量輸送手段に切り替えることで、輸送効率を向上させる取り組みです。この取り組みでは、10トントラックの貨物を12フィートの鉄道コンテナに転換し、通常必要とされるコンテナ数を工夫によって削減しました。実際、再春館製薬所が行った試験輸送によって、コンテナ2個での輸送が可能となり、効率性と環境配慮を同時に実現しています。
再春館製薬所は、近年の物流業界の変化、特に2024年問題に対応すべく、トラックドライバーの不足や労働時間規制の強化といった社会的課題に直面しています。これらの課題を乗り越え、持続可能な物流モデルを構築することは企業にとって急務です。そのためには、製販一体の体制を活かし、高品質な製品を迅速かつ効率的に提供していく必要があります。
今回の受賞は、各社の専門知識と経験を結集した結果です。再春館製薬所は物流戦略の立案を担い、佐川急便は広範な輸送ネットワークを活用し、JR貨物は鉄道輸送インフラを提供、西久大運輸倉庫はトラック輸送と鉄道輸送の橋渡しを行いました。このように、4社がそれぞれの役割を果たしながら連携を深めることで、新たな物流モデルを生み出しました。
実績としては、従来のトラック輸送と比較して、CO₂排出量を年間78%削減することに成功しました。これは、SDGsへの取り組みを実現するものであり、環境負荷の低減に寄与しています。さらに、温度管理や破損リスクの改善により、製品の品質向上も図られ、顧客への安心・安全な製品の配送につながりました。このような取り組みは、長期的にも物流コストの削減に貢献するもので、持続可能なビジネスモデルの確立に必要不可欠です。
今後の再春館製薬所は、この取り組みを継続し、更なる改善を通じて持続可能な物流の推進を目指していきます。2032年には創業100周年を迎える同社は、「ポジティブエイジカンパニー宣言」を掲げ、社会に貢献し続ける企業でありたいと考えています。実際、受賞者である物流管理部門の福永氏も、各社との連携があったからこそ受賞できたと語っています。
再春館製薬所の今後の活動には注目が集まります。環境への配慮とともに、多くの社会的課題に応える持続可能な革新的な取り組みが期待されています。再春館製薬所の公式ウェブサイトでも、様々なサステナビリティ活動に関する情報を発信していますので、ぜひチェックしてみてください。