キユーピー、タイとインドネシアに新ライン導入
キユーピー株式会社は、タイとインドネシアの既存工場に新しい生産ラインを設置し、2025年1月からの本格稼働を決定しました。この動きは、アジアパシフィック地域でのマヨネーズやドレッシングの需要が急増していることを背景にしており、効果的な市場展開を目指しています。
タイでの生産能力向上
タイでは、既存の工場内に新設した高速充填ラインを導入し、従来の生産速度の約2倍を実現しました。この新ラインは、オセアニア地域を中心とした輸出事業の成長に寄与しており、2023年度においてはマヨネーズ類の輸出が2019年度比で3倍以上に増加する見込みです。また、タイ国内の需要にも応えることで、さらなる売上拡大を図ります。
環境面でもキユーピーは積極的に取り組んでおり、新棟の屋上には太陽光パネルを設置し、再生可能エネルギーの割合を2025年度中に約35%にまで引き上げる予定です。この取り組みによって、CO2の排出削減を実現し持続可能な生産を進めています。
インドネシアでのニーズに応える商品展開
一方、インドネシアでは現地の食文化に合わせた新商品を展開しています。2024年には「キユーピー サラダドレッシング ヨーグルト風味」を発売し、現地のフルーツサラダと相性が良い商品として広がりを見せています。また、小型スーパー(ミニマート)への導入も進めており、商品認知度の向上に貢献しています。
さらに、インドネシア国内では野菜摂取量の低さが健康課題となっているため、キユーピーは積極的に啓発活動も行っています。小学校への出前授業や「健康応援ブック」の配布を通じて、健康的な食生活の重要性を伝えています。これにより、ブランドファンの育成を目指します。
未来に向けた展望
キユーピーは、グローバルな市場で競争力を維持しながら、現地のニーズに応じた商品展開や食育活動を通じて新たなファンを作り出すことに力を注いでいます。タイとインドネシアでの新ラインの稼働は、これからの食文化に刺激を与えることでしょう。
このように、生産能力の強化や環境への配慮、地域特有のニーズに応える商品開発を通じて、キユーピーは持続可能な成長を遂げることを目指しています。今後の展開から目が離せません。