全国一斉で行われる貸切バスの安全性向上施策とは
訪日外国人旅行者の増加によって、貸切バスの需要は高まっています。この背景を受けて、国土交通省は、貸切バスのさらなる安全性向上を図るため、特別な取り組みを実施することを発表しました。具体的には、運行管理者を対象とした事業者講習会や、全国一斉で行う街頭監査などがあります。
背景
平成28年1月に発生した軽井沢スキーバスの事故以降、交通安全に対する意識は高まり続けています。令和4年10月には、静岡県で貸切バスの横転事故が発生し、29名の死傷者が出ました。このように悲劇的な事故を防ぐために、国土交通省は新たな安全対策を制定し、昨年4月から施行しています。この施策の一環として、今年も運行管理者を対象に各種講習会を開催し、街頭監査を行います。これらの取り組みを通じて、安全運行の徹底と交通事故の防止を目指します。
事業者講習会の詳細
事業者講習会は、以下のような内容で実施されます:
- - 実施時期:5月から7月
- - 対象者:貸切バス事業者の統括運行管理者等
- - 講習内容:
- 事業用自動車による交通事故の発生状況
- 最近の事故事例
- 事業用自動車の安全対策について
- 最近の監査および行政処分の内容
- 関係法令の改正について
この講習会を通じて、運行管理者は交通事故の現状認識や、維持すべき安全対策について深く学ぶことが求められます。特に、最近の事故の事例や、法令の変更点については、特筆すべき重要なテーマです。
街頭監査の概要
街頭監査は、運行管理者の知識や実行力をチェックする重要な機会です。この監査は以下のように行われます:
- - 実施時期:4月下旬から7月
- - 実施場所:観光施設の駐車場、高速道路のサービスエリア、主要駅、空港、旅客船埠頭など
これらの場所で、実際の運行状況に即した監査が行われ、法令遵守の徹底状況を確認します。違反が見つかった場合は、指導や是正が行われ、適切な運行がなされるよう徹底されます。
まとめ
国土交通省が実施するこれらの施策は、貸切バスの利用者にとって安心で安全な乗り物づくりを促進する重要な取り組みです。訪日外国人旅行者が増える中、安全性の向上は喫緊の課題です。このような取り組みを通じて、未来に向けた交通安全の確保が期待されます。私たちも、交通安全の意識を高め、より良い旅行体験を実現するために、情報を整備し共有していく必要があります。