繊維リサイクルボード「PANECO® board M」とは
モリリン株式会社が開発した繊維リサイクルボード「PANECO® board M」は、廃棄衣類を原料にする新しい素材です。本製品は2026年初旬より本格的な量産体制が整う予定で、環境問題に取り組むための重要な一歩となります。
繊維リサイクルボードの特徴
「PANECO® board M」は、従来の製品よりも大規模な生産能力を持つ新たな規格で、以下のサイズで展開される予定です。これにより、多様な用途での利用が可能になります。
- - 幅: 最大1,240mm
- - 長さ: 最大4,060mm
- - 厚さ: 最大30mm
このサイズは、建材や什器素材として使いやすく計算されており、加工や運搬もしやすい設計です。新しいボードは、従来の実験的な生産を乗り越え、安定的な供給体制を築くことに成功しました。
環境への影響
毎年、世界中で9200万トン、日本国内では約100万トンもの衣類が廃棄されています。多くの衣類が焼却処理や埋立てに回され、その結果、二酸化炭素の排出や土壌汚染といった環境問題を引き起こしています。寄付される衣類の多くも最終的には廃棄物となるため、国際的な問題として多くの関心が集まっています。「PANECO® board」の使用は、これらの衣類廃棄問題に対する持続可能な解決策として期待されています。
開発の背景とプロセス
「PANECO® board M」の開発には、株式会社ワークスタジオとホクシン株式会社の技術協力があり、MDF製造ラインを活用することで、量産化が可能な仕様となっています。月間600トンの廃棄衣類をアップサイクルできるこのボードは、年間7200トンの廃棄衣類に相当する資源を再利用できる見込みです。
経済産業省の取り組みとの連携
経済産業省は、2024年3月に「繊維・アパレル産業における環境配慮情報開示ガイドライン」を策定予定です。このガイドラインでは、2026年に向けて大手アパレル企業へ回収衣料品の処分方法の開示を求めています。「PANECO® board M」は、このガイドラインの成果の一部として活用されることが期待されており、循環型素材としての重要性が今後さらに増すことでしょう。
未来への約束
「PANECO® board」は、循環型社会の実現に向けた努力を続けています。新しい量産体制の確立により、これまで難しかった様々な用途への展開が可能になります。環境への配慮が強く求められる現代において、「PANECO® board」提供する選択肢は、多くの企業や団体、自治体にとって非常に価値のあるものと言えるでしょう。
公式情報
公式サイトでは「PANECO® board」の詳細情報や最新の取り組みが紹介されています。ぜひチェックしてみてください。
「PANECO® board」を通じて、皆が環境問題に対して少しでも貢献できることを願っています。