日本舞踊は古くから日本文化の重要な一端を担ってきましたが、近年ではその枠を超えた表現が次々と生まれています。特に、藤間蘭黄さんが芸術監督を務める『日本舞踊の可能性』シリーズは、その新しい試みに挑戦してきました。今回の公演である『日本舞踊の可能性 vol.7』は、2018年の初開催以来、多様なジャンルとのコラボレーションを通じて進化を続けています。今回の公演では、
俳句と
バレエ、さらに
ピアノとの融合が見どころです。
第一部『鄙のまなざし〜一茶の四季〜』
最初の演目『鄙のまなざし〜一茶の四季〜』では、小林一茶の俳句を基にした舞踊が展開されます。一般的に、日本舞踊の歌詞は難解だとの声も多かったため、今回は観客が理解しやすい日本語で、かつ想像力を掻き立てる舞踊として再構成されました。藤間蘭黄さんが作詞し、初めて作曲にも挑戦したこの作品は、日本の
鄙(ひな)の四季をテーマにしています。さらに、この部では藤間聖衣曄、藤間鶴熹、藤間蘭翔といった実力派の舞踊家たちが出演し、彼らのパフォーマンスが作品に深みを与えています。
第二部『展覧会の絵』
続いての演目『展覧会の絵』では、ムソルグスキーのピアノ曲が基盤となり、バレエダンサーと日本舞踊家が共演します。ピアニストの木曽真奈美さんは、この曲を「親友の画家ガルトマンに捧げたレクイエム」と解釈し演奏します。作品の魅力は、藤間蘭黄さんが脚本・演出を手がけ、バレエダンサーの山本隆之さんが振付を担当することにより、一層高まりました。この公演は、数々の国際舞台でも再演されており、浅草公会堂での上演は特に注目です。
このように、藤間蘭黄さんが企画した公演は、伝統的な日本舞踊を現代の感覚で再構築し、新たな形でプレゼンテーションを行うことを目指しています。日本の伝統文化である舞踊が、音楽、俳句、さらにはバレエといった他ジャンルと融合することで、どれほどの美しさを生み出すかが、この公演の最大の見どころです。
公演詳細
- - 日時: 2025年6月6日(金) 19時開演
- - 会場: 台東区立浅草公会堂(東京都台東区浅草1-38-6)
- - チケット: S席¥10,000、A席¥8,000、B席(自由席)¥2,000、パトロネージュシート¥20,000。チケットは3月3日より発売される予定です。
- - 出演者: 日本舞踊家たちが新たな魅力を引き出します。詳細は公式サイトにて確認してください。
この公演は、古典を次世代に引き継いでいくための重要な試みであり、観客に新たな感動をもたらすでしょう。日本舞踊に新たな光を当てるこの機会をお見逃しなく!