環境に優しい食品容器開発のニュース
中央化学株式会社は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主原料とした新しい食品容器の開発を発表しました。この取り組みは、中期経営計画「Challenge 2028」の一環として、環境対応型製品の提供を目指すものです。今後、さまざまな環境ニーズに応えることが期待されます。
1. 開発の背景
日本の食品包装容器市場はポリスチレン(PS)が主流ですが、海外ではPSに対する規制が強化されています。また、製品や包装材を単一の素材で構成する“モノマテリアル化”の流れが進んでいます。これを受けて、中央化学は未来の市場に備えた製品ラインアップの充実に力を入れています。その一環として、特に優れた特性を持つPET素材を原料とした容器の開発を進めることにしました。
この新素材容器は、CO2排出量を削減し、環境に配慮した製品であるため、注意深いユーザーテストを経て市場投入される計画です。特に、高性能のPET押出機を中国に導入し、日本と中国の技術を融合させて新製品を開発しました。
2. 新素材の特性
この新しい食品容器には、2種類のタイプ、すなわち発泡PET(CVP)と新型C-PET(NCP)が用意されています。
(1) 発泡PET(CVP)
これまではPETはソリッド容器として利用されていましたが、発泡PETは製造技術とコストの制約から一般的ではありませんでした。しかし、中央化学は中国における生産技術を駆使し、発泡PETを開発しました。これにより、食品容器として必要な強度を保ちながら、約90%の重量削減が実現しました。軽量化により、扱いやすさも向上し、環境負荷を軽減することが期待されます。
(2) 新型C-PET(NCP)
従来のC-PETは高温調理に対応していましたが、冷凍食品市場の拡大を見越して新型のC-PETを開発しました。この新型は、従来品より耐寒性が向上しており、冷凍から電子レンジ、スチームコンベクション調理、オーブン調理まで幅広い用途に対応しています。また、リサイクル材を使用する技術も確立し、品質を保ちながら環境負荷を低減することに成功しました。
3. 今後のビジネス展開
この新しい食品容器の展開にあたっては、ユーザーとのテストマーケティングを行い、ニーズに応じた製品開発を進めていきます。中央化学は、プラスチック使用量を削減するための新素材を開発し、食品容器市場におけるニーズに対応した製品提供を目指しています。これにより、効率化や労働力不足の問題に対処しつつ、持続可能な社会の実現に貢献していく考えています。
このような新しい環境配慮型食品容器が市場に登場することで、私たちの日常がよりサステナブルに変わっていくことを期待したいですね。さらに詳しい情報は、中央化学株式会社の広報部までご連絡ください。