アトピー性皮膚炎と資生堂
2025-10-27 11:32:32

資生堂が切り拓く、乳幼児アトピー性皮膚炎の早期予測技術の未来

資生堂が切り拓く、乳幼児アトピー性皮膚炎の早期予測技術の未来



資生堂は、皮膚科専門医との共同研究を通じて、乳幼児期におけるアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症リスクを早期に予測する手法を発見しました。特に、生後2ヶ月の時点で角層に特定のタンパク質が多い乳幼児は、3歳時点でアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを発症する確率が高まることが明らかになりました。この発見により、早期発見と適切なケアが可能になり、家族全体の生活の質を向上させる期待が寄せられています。

この研究は、10年以上にわたる取り組みの成果であり、資生堂と東北大学病院との協力の下で実施されました。また、共同研究者である小澤麻紀医師の業績は注目され、2025年度のサノフィ優秀論文賞に選ばれるなど、高く評価されています。研究成果は2025年に開催される日本アレルギー学会でも発表される予定です。

研究の背景


資生堂は、肌の健康と美しさのために、長年にわたり皮膚科学の研究に取り組んできました。その中で、特に重要な役割を持つタンパク質「SCCA1」が、皮膚のバリア機能を維持するために不可欠であることが認識されています。2006年の研究では、SCCA1が皮膚バリア機能を低下させる原因因子であることが発見され、この知見は国際的に高く評価されています。また、乳幼児期からのスキンケアがアトピー性皮膚炎の発症率を低下させることも示されています。

近年では、アレルギーの原因が肌を通じて体内に侵入することが多いとされ、アトピー性皮膚炎や他のアレルギー疾患の予防が求められています。これを受けて、非侵襲性の皮膚診断法の確立に向けた共同研究が、2016年から開始されました。

研究方法と結果


今回の研究では、少なくとも1人がアトピー性皮膚炎の既往を持つ117名の乳児を対象に、定期的に皮膚科専門医による診察とテープストリッピング法を用いて、角層中のSCCA1量を測定しました。その結果として生後2ヶ月時点の頬や口周りの角層中に含まれるSCCA1の量が、アトピー性皮膚炎および食物アレルギーを発症した子どもにおいて著しく高いことが確認されました。これにより、早期の予測が可能となり、適切なケアを行うことでアレルギーの発症を防ぐ道が開かれました。

今後の展望


資生堂は、この研究から得られた知見をもとに、敏感肌や美容皮膚科の領域において新たな製品やサービスを開発し、一人ひとりの健やかな美の実現を目指します。また、積極的に皮膚科医との共同研究を推進し、敏感肌の症状や原因の解明を進めることで、社会全体の不安を和らげる手助けをしていく方針です。

資生堂は、革新的な研究成果を基にした「DYNAMIC HARMONY」というR&D理念のもと、化粧品技術においても世界的に高い評価を得ています。今後も国内外の研究機関と協力し、新しい価値の創造を続けていきます。これにより、ダーマ市場の成長促進へとつなげていく予定です。日本の子どもたちの未来を守るために、資生堂の挑戦は続きます。


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