プライバシーと利便性の両立
2026年1月、米国ラスベガスで開催される「CES 2026」。この場において、旭化成エレクトロニクス株式会社が発表する最新のエイジテックおよびペットテック向けソリューションが注目を集めています。プライバシーを尊重し、高齢者やペットの健康・安全を支える新技術が、多くの注目を集めています。
エイジテック:高齢者支援の新たなアプローチ
旭化成が開発した転倒検知ソリューションは、ミリ波レーダーモジュール「AK5816AIM」を使用しています。転倒は高齢者にとって重大なリスクであり、WHOによると毎年68万人が転倒による影響で命を落としています。特に、浴室などでの転倒が多いため、カメラによる監視はプライバシーの観点から懸念されていました。
しかし、この技術はカメラを用いずに、利用者の位置や姿勢を高精度で検知できます。これにより、転倒が発生した際には、10秒以内に異常を察知し、即座に通知することができるのです。これに対するコメントを寄せたAKMセミコンダクタのGregg Rouse社長は、市場がプライバシーを尊重したソリューションを求めていることを指摘しました。
バッテリーフリーのスマートおむつ
また、バッテリーフリーのスマートおむつも展示され、この技術は尿を電解液として利用し、導電性素材を電極として発電します。新たに搭載されたアルゴリズムは、排尿の「回数」と「量」を検出することができ、介護者が排尿状況をより的確に把握できることから、介護の質が劇的に向上します。この技術は、家族の介護だけでなく、プロの介護現場でも大いに貢献するでしょう。
ペットテック:愛するペットを守る
近年、ペットを飼う家庭が急増していますが、それに伴いペットの健康を見守るテクノロジーへの需要も高まっています。旭化成は、動物病院向けのバイタルモニタリングソリューションを通じて、動物の健康状態をリアルタイムで監視する新たな提案をしています。術後の犬や猫の呼吸や心拍をモニタリングすることで、異常が発生した場合には獣医に即座に通知が行われます。これにより、ペットの健康を保つ体制が強化され、安心してサービスを利用することができます。
スマートペットカラーによる温度管理
さらに、スマートペットカラーという新しいデバイスも紹介されます。これにより、ペットの体表面温度と周囲の環境温度を測定し、発熱や異常気象を検知することが可能です。Bluetoothを介して飼い主に通知されるため、ペットの健康を迅速に察知できます。
未来の生活を見据えて
旭化成エレクトロニクスの取り組みは、プライバシーと利便性を同時に考慮した社会の実現に向かっています。今後も人々とペットの安全と健康を支える新たなセンシング技術が期待されます。興味のある方はぜひ、CES 2026に足を運んで最新情報を手に入れてみてください。これらの技術は、私たちの生活を一層向上させてくれることでしょう。