ファンケル調査:リハビリ型デイサービスがもたらす運動療法と栄養療法の実力
高齢化社会が進む日本でサルコペニアやフレイルという問題が注目されています。この状況に対し、株式会社ファンケルが株式会社INSSEACと共同で行ったリハビリ型デイサービスに関する研究が重要な示唆をもたらしています。リハビリ型デイサービス「ARFIT」を利用する高齢者を対象に、運動療法と栄養療法の効果を調査した結果が発表されました。
調査の概要
本研究は、60歳以上の要支援または要介護認定者を対象に実施されました。具体的には、1週間に1~2回、体幹や下肢の筋力を中心にした自重筋力トレーニング、歩行訓練、脳トレ運動、口腔体操が行われました。一方、栄養療法では、食事調査の結果から高タンパク質のサプリメントが提供されました。
この調査は12か月間にわたり、参加者の筋肉量や握力の変化を追跡しました。全員が運動療法を実施し、その内41人は栄養療法も併用しました。
調査結果の要点
参加者の平均年齢は82歳。運動療法の実施回数が多いほど、筋肉量や握力の向上が確認されました。また、栄養療法を取り入れた参加者は腕の筋肉量や握力が高くなることも示されました。この結果から、運動療法と栄養療法が身体機能の改善に寄与することがわかります。
研究が示す可能性
高齢者にとって、サルコペニアやフレイルは非常に重要な健康課題です。運動療法としてのレジスタンス運動や、栄養療法としての高タンパク質摂取が効果的であるという結果は、今後の高齢者向けサービスの開発においても重大な意味を持ちます。特に、要支援または要介護認定者においても、運動と栄養の両面からアプローチすることで、健康的な生活をサポートできる可能性があることが示されました。
今後の展望
ファンケルは、要支援・要介護認定を受ける高齢者が自立した生活を送り続けるための製品やサービスの開発に取り組むことを考えています。健康な身体を維持するためには、日常生活に運動や栄養管理を取り入れることが欠かせません。特に高齢者においては、サルコペニアやフレイルの予防が身体機能の保持に繋がります。今後の研究や開発に期待が高まります。
この研究結果は、2025年1月25日に神奈川県で開催される第14回日本リハビリテーション栄養学会学術集会で発表される予定です。これにより、より多くの高齢者が保持的な生活を送るための情報が広まることを願っています。