新素材箏爪の魅力
2025-10-15 15:48:50

竹由来の新素材箏爪が生み出す和楽器の新たな可能性とは

竹由来の新素材箏爪が生み出す和楽器の新たな可能性とは



和楽器の中でも特に独自の魅力を持つ箏。その演奏には、長年にわたって象牙製の筝爪が使用されてきました。しかし、象牙が入手困難になる中、新素材である竹由来のセルロースナノファイバー(CNF)を利用した箏爪の開発が進んでいます。今回は、この新素材が音楽界に与える可能性について探ってみましょう。

なぜ箏に象牙が使われてきたのか?



箏は、弦楽器として特長的な音色を持っていますが、その音色の秘密の一つが筝爪にあります。長い間、プロの演奏者たちは象牙製の筝爪を使用することで、求める音の質を実現してきました。しかし、1990年以降、象牙の国際取引が禁止されることで、その入手が難しくなったため、特に邦楽のプロ奏者たちは新たな素材に対する期待を抱いています。これに応えたのが、Sera Creationsの開発した竹由来のCNFを使った新しい筝爪です。

新素材の音響特性



Sera Creationsは8年前からプロの演奏者や音響研究者との協力のもと、様々な試作を重ねてきました。その結果、セルロースナノファイバー製の箏爪が象牙製の音響に非常に近い特性を持っていることが実証されました。複数の音響測定を行った結果、特に特定の製品番号の音が象牙に近いとされたのです。これにより、新素材である竹由来の箏爪が、従来の価値観を覆す可能性を秘めていることが明らかになりました。

「象牙を使わない箏コンサート」とは?



このような新素材の性能を一般に披露するために開催されるのが、「象牙を使わない箏コンサート」。このイベントでは、新しい素材で作られた筝爪の音色を実際に聞くことができます。このコンサートは、一般の人々に新たな価値観を提案するだけでなく、象牙の使用をなくし、環境保護や動物に対する配慮を考える契機ともなることでしょう。

コンサートの目的は大きく分けて三つあります。まず一つ目は、新素材で製作された筝爪が象牙に近い音色を出せるという点を広く示すこと。二つ目は、時代の変化に応じて象牙が出す音色が最高だという価値観からの転換を促すこと。そして三つ目は、アフリカの伝統楽器とのコラボレーションによって、象牙の供給源に意識を向け、「象牙を使わない」ことを今後の文化に根付かせることです。

コンサートに向けた期待



「象牙を使わない箏コンサート」は、2025年10月31日に東京ウィメンズプラザホールで開催されます。イベントの中では、プロの演奏家たちによる古典や現代の箏曲が披露され、新素材の筝爪を使用した音楽がどのような影響を持つのか、参加者にとって非常に興味深い体験となることでしょう。また、講演では、象牙の取引とその背景についても学ぶことができ、音楽を通じて環境問題を考える機会にもなります。

新しい素材であるセルロースナノファイバーを使用した筝爪の開発は、箏の演奏に革新をもたらすだけでなく、音楽界全体に新たな可能性を与える存在です。このイベントを経て、従来の価値観がどのように変わっていくのか、注目が集まります。


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