TOPPANホールディングスがSONOCO社の事業買収を決定
TOPPANホールディングス株式会社は、米国に拠点を置くSONOCO PRODUCTS COMPANYの軟包装事業及び熱成形容器事業、通称TFP事業を取得することが明らかになりました。この動きは、TOPPANのグローバルな事業戦略の一環であり、サステナビリティを重視した新たなパッケージ製品の市場展開に繋がると言われています。
事業取得の背景
TOPPANグループは、デジタル変革(DX)やサステナブル変革(SX)を推進する企業を目指しています。今期の経営計画の中で、特に注力しているのが海外での生活系事業です。環境問題への意識が高まる中、パッケージ分野では環境負荷軽減や再利用可能な素材の需要が増加しています。その要求に応える形で、新しい事業ポートフォリオの構築に努めているのです。
TOPPANは、これまでフィルム製造から包装技術に至るまで、サステナブルパッケージング戦略を強化してきました。インドの子会社設立や各国の買収を通じて供給体制を構築し、グローバルでの展開を図っています。特に、今回のSONOCO社のTFP事業の取得はアメリカ大陸における大きな一歩と言えるでしょう。
SONOCO社のTFP事業の概要
SONOCO PRODUCTS COMPANYは、アメリカ・サウスカロライナ州に本社を構え、豊富な経験を持つ大手パッケージメーカーです。現在、コンシューマーパッケージングと産業用紙パッケージング事業を展開しています。
TOPPANによるTFP事業取得の価格は、18億米ドル(約2,713億円)を予定しており、これには事業取得の対価に加え、ネット負債の調整額も含まれます。契約は2024年12月に締結され、実際の取得は2025年の中頃に実施される見込みです。
サステナブルパッケージの未来に向けて
TOPPANグループの新たなビジョンでは、SONOCO社の強固な顧客と製造基盤を活かして、サステナブルなパッケージの開発と展開が進められます。この動きによって、全世界でブランドオーナーの持続可能なニーズに応え、事業の成長を加速させる狙いがあります。
また、TOPPANは、フーリハン・ローキー株式会社や三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社といった専門家のサポートを受けており、事業の円滑な移行を図っています。一方で、SONOCO社側もゴールドマン・サックスなどのアドバイザーが支援を行っています。
結論
TOPPANホールディングスがSONOCO社のTFP事業を買収することで、サステナブルなパッケージ市場における競争力を強化し、グローバル展開を加速させることが期待されています。環境に配慮した製品を求める消費者の意識が高まる中、今後の開発に注目が集まることでしょう。