デリケート部位専用洗浄剤の安全性評価、新たなアプローチとは

最近、女性の健康やライフスタイルにおいてデリケート部位のケアが注目されています。ロート製薬株式会社は、デリケートな部分の洗浄剤の安全性を評価するための新しい手法を開発しました。「Connect for Well-being」を掲げる同社は、動物実験の代替法を活用し、新たに三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデルを使った評価プロセスを構築しました。

1. 研究の背景

デリケート部位は皮膚が薄く、バリア機能も弱いため、使用する製品の刺激性に対して非常に敏感です。近年、フェムケア製品が数多く登場し、女性たちの興味を引いていますが、これまでの製品評価方法では十分な安全性が確保されていないのが現状です。ロート製薬は、デリケート部位に特化したいかなる評価方法も標準化されていないため、これにチャレンジすることを決意しました。

2. 研究のポイント

この研究では、まず三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデルに着目しました。このモデルを用いることで、デリケート部位洗浄剤の刺激性をより正確に予測できるとされています。自社で開発したデリケート部位専用と敏感肌用の洗浄剤を評価した結果、前者の細胞生存率が94.8%という高数値であることが判明。これにより、刺激性が低いことが示唆されました。

3. 実使用試験の結果

実際に、21～49歳の女性25名を対象に4週間の実使用試験を行い、「ほぼ安全である」との評価を得ました。この結果は、三次元培養モデルによる評価が実際の使用においても有益であることを裏付けています。

4. 今後の展望

ロート製薬は、このような手法をさらに発展させ、デリケート部位専用製品の安全性評価をガイドライン化し、外部機関とも連携してリードしていくことを志向しています。これにより女性の健康を守り、彼女たちの生活の質を向上させる製品開発を目指すのです。

この研究成果は、多くの女性が感じるデリケート班の悩みを軽減するために貢献し、より良い生活をすすめる一助となることを期待しています。