森林&人権方針ランキング2024:企業の取り組みを評価
環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)が2024年の「森林&人権方針ランキング」を発表しました。このランキングは、優先すべき消費財企業10社を対象に、彼らの持つ森林と人権に関するポリシーとその実行実績を評価するものです。
評価の枠組み
RANは、企業の方針を12項目に沿ってポイント化し、合計得点によってランク付けをしています。企業は24点満点中、21〜24点で「A」、17〜20点で「B」、12〜16点で「C」、6〜11点で「D」、0〜5点で「不可」とされています。今回は、森林破壊リスクの高い製品に関連する企業の持続可能な活動が評価されました。
結果の概要
調査の結果、ユニリーバが評価で唯一「C」を獲得し、持続可能な取り組みにおいてリーダーシップを発揮しました。最下位に位置したのはプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)で、特に日本企業である日清食品と花王の成績も芳しくありませんでした。日清食品は「不可」という低評価、花王は「D」にとどまりました。
改善が必要な企業たち
特筆すべきは、コルゲート・パーモリーブが「中位企業」として高評価を受け、人権擁護のための方針を掲げている点です。しかし、花王やマースは昨年と同様の評価にとどまり、実行力を欠いていました。ペプシコとネスレも評価を下げ、サプライチェーンにおける森林破壊の問題に取り組む姿勢が不足しています。
日本企業の状況
日本企業は評価に苦しんでいます。日清食品は「不可」で、事業方針の透明性が示されない限り、改善は見込めないと各専門家が指摘しました。逆に花王は、NDPE(森林破壊禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止)のポリシーを策定しているものの、実行体制の強化が求められています。
先住民族の権利
今年は特に、先住民族コミュニティに対する環境保護活動が重要視されています。RANによると、企業が自身の供給網で責任を果たさなければ、先住民族の活動家たちが暴力にさらされるリスクが増加しています。RANのダニエル・カリーヨは「企業は森林保護と人権の尊重に対して真剣に行動する必要がある」と訴えています。
今後の展望
「森林&人権方針ランキング2024」の発表は、企業が気候変動に対しどのように取り組んでいるのかを再考させる重要な機会です。消費者や市民社会は、企業に具体的な行動を求め、責任を明確にする必要があります。今後、企業の持続可能性に向けた動きが強化されることが望まれます。