神奈川県立商工高等学校で新たな食のアントレプレナーシップ教育が始動
神奈川県立商工高等学校が、地域企業との連携を活用した「アントレプレナーシップ教育」のプログラムをスタートさせました。福岡に本社を置くスタートアップ、株式会社PECOFREEの協力を受け、特に注目されているのが、お弁当の開発をテーマとした実践型授業です。生徒たちは、地域の飲食事業者であるトリゴコロと共に、実際のビジネス環境で問題解決力や商品開発のスキルを高めています。
取組みの背景と目的
神奈川県立商工高等学校では、地域の企業との協力を通じた実践的な教育に力を入れており、今回のアントレプレナーシップ教育もその一環です。生徒たちは2年生を対象に4人で構成された全9チームに分かれ、毎週授業を通じてアイデアを出し合い、具体的な商品を目指します。これまでの実績として、過去には地域企業と協力し、ドレッシングやタレの開発を行い、特に「具 Good ポン酢」がフードグランプリに挑戦するなど、成功を収めています。
実践型授業の詳細
授業内容は、メニューの企画から原価計算、商品テストまで多岐にわたります。トリゴコロの加賀屋代表が実務面を、PECOFREEの川浪代表が課題解決や発想の整理を担当しています。また、生徒たちはマーケティングの視点を持ち、実際に届けたい相手を考えながら商品を開発する重要性を学びます。最終的には、2026年2月に校内販売を予定しており、生徒たちの努力の成果を実際に市場に出すことを目指しています。
教員や関係者のコメント
塚本先生は、実際の事業者との関わりが生徒の思考や視野を広げ、自らのアイデアが誰かに届くという経験を通じて、学ぶ意欲や責任感を育てていると強調しています。また、トリゴコロの加賀屋代表は、生徒たちの自由な発想が大人にとっても新しい発見をもたらすことが多いと述べ、彼らに“つくる楽しさ”を体感してほしいと期待を寄せています。
今後の展望
2026年2月の校内販売を終えた後は、販売結果の分析を行い、さらなる改良や提案を行う予定です。また、地域のイベントでの販売や、他校へ配達を行うなど、商品の流通を考慮した展開も検討されています。このアプローチは、「食×教育×地域」を繋ぐアントレプレナーシップ教育の新たな可能性を示唆しています。PECOFREEでは、この取り組みを通じて全国の地域に広がる教育の輪を作り上げていくことを目指しています。
PECOFREEについて
福岡を拠点に置く株式会社PECOFREEは、「食と教育をつなぐ」事業に特化しており、特に子どもたちの健やかな成長をサポートするためのスクールランチ「PECOFREE」や、学童向けおやつ事業「PECO kids」を展開しています。地域社会との持続的なつながりを育む取り組みを続けており、今後とも拡大を目指しています。
まとめ
神奈川県立商工高等学校の新たな取り組みは、学生たちにとって価値ある経験であり、地域を超えた教育のモデルとなるでしょう。彼らが育てたアイデアが、実際にどのような商品として形になっていくのか、今後の展開に期待が寄せられています。