世界をリードするアメリカ大豆:サステナビリティの新展開
2025年11月11日、東京のThe Okura Tokyoにて「アメリカ大豆バイヤーズ・アウトルック会議2025」が開催され、サステナブルで高品質なアメリカ大豆の価値向上に向けた重要な情報が発信されました。日本およびアジア地域からの参加者200名を超える中、アメリカからは生産者、輸出業者、関連団体の専門家が集まり、今後の動向に関する貴重な講演が行われました。
アメリカでの大豆生産状況
会議では、アメリカ大豆の2025年度の生産状況が報告され、全体的に良好な結果が期待されています。特に、ミシシッピー州とオハイオ州の生産者からは、「輪作やカバークロップを活用しながら、土壌を健康に保ち、品質維持に注力している」という意見がありました。これにより、持続可能な方法で次世代により良い状態での大豆生産を目指しているそうです。
世界的な需要動向
USSECの新任エグゼクティブディレクター、カルロス・サリナス氏は、世界での大豆の生産量の増加を強調し、それが油糧種子における需要の拡大にどのように寄与しているかを説明しました。特に大豆は、食用油や飼料、バイオ燃料において非常に重要な役割を果たしています。
一方、StoneXの上級リスク管理アナリスト、べヴァン・エベレット氏は、大豆の需給を左右する要因として、「気象、関税、肉類消費、バイオ燃料需要」の四つを挙げました。また、ミネソタ大学のセス・ネイブ教授は、たんぱく質や油分の含有量が高いことも示唆し、アメリカ大豆の優れた品質が確認されました。
飼料としての重要性
さらに、飼料用大豆についても重要な意見が寄せられました。米国の動物用途リードであるマリア・アドキソン氏は、飼料の品質が動物の成長にどれほど重要であるかを話し、アメリカ産大豆がどのようにそのニーズに応えられるか説明しました。
マドリード工科大学の教授ゴンザロ・マテオス氏は、大豆ミールの質が豚の育成に如何に影響するかを述べ、特にアメリカ産大豆の方がブラジル産に比べて栄養素が豊富であると指摘しました。
日本市場との連携
日本植物油協会の片桐薫氏は、安定した原材料調達の重要性を強調し、アメリカ産大豆の使用が多くの日本の食材において重要であることを伝えました。非遺伝子組み換え大豆が、大豆油や豆腐、納豆など多様な食品に利用されているとのこと。これにより、持続可能性を考慮した原材料の調達が可能になっているのです。
終わりに
この会議では、登壇者たちがそれぞれの視点で未来の大豆市場について語り、アメリカ大豆の価値が高まることを期待しています。日本とアメリカのパートナーシップは長年にわたり築かれており、今後も両国の協力がますます重要になると感じました。USSECは、これからもサステナビリティに基づいた情報発信を続けていくことでしょう。