枕崎市が発信する鰹節と焼酎の未来
2025年10月31日、東京都港区のワールド北青山ビルにて「枕崎市プレミアムマーケット」が開催され、特に注目されたのはトークイベント「かつお節と焼酎の未来」。このイベントには、Dashi Corporation株式会社の代表取締役である水野勉氏、枕崎市長の前田祝成氏、そして多くの地域の関係者が集まりました。日本有数の水産都市として知られる枕崎市から、鰹節と焼酎の文化を広める取り組みが発信されました。
イベントの背景
このイベントは、2013年に日本の食文化を代表する『和食』がユネスコ無形文化遺産に登録されたこと、そして2024年には『伝統的酒造り』も登録されることを受けて、枕崎市が自らの文化資源を首都圏にアピールする機会となりました。水野代表は、鰹節のブランド化や、新商品『だしどり』についても取り上げ、相互に有意義な交流が促進されました。
鰹節の未来を語る
トークイベントでは、最初に前田市長が「鰹節と焼酎がもたらす地域の魅力を首都圏に伝える意義について」スピーチを行いました。彼は、枕崎市の歴史や地理的特性、さらには観光資源についても言及。続いて的場水産加工業協同組合長が、鰹節産業の現状とそれに伴う課題を語りました。今や47社が加盟する枕崎水産加工協同組合は、日本の鰹節生産量の約半分を担う重要な存在です。
さらに、吉元薩摩酒造株式会社の社長は、焼酎文化の多角的な展開を目指し、新商品の発表や地域との連携によるプロジェクトを紹介しました。特に、耕作放棄地の再生プロジェクトは、地域にとって大きな意義を持つもので、多くの参加者がその取り組みに感銘を受けていました。
新たな商品『だしどり』の紹介
水野氏は、伝統的な鰹節をワインに例え、その価値を讃える新しいブランド戦略を提案しました。この中で、彼は新商品『だしどり』を披露。飲む出汁として注目されるこの商品は、2025年11月4日に発売される予定で、多くの消費者からの期待も寄せられています。状況説明では、特に消費者の高い関心が窺えました。
盛況なイベント
イベントの後半では、鰹節寿司の試食や「枕崎お魚センター」での鰹節かけ放題サービスなど、参加者が楽しめるアイデアも展開されました。観覧席は満席となり、立ち見の来場者も多く見受けられるほどの盛況ぶりでした。
前田市長は、「伝統を守りつつも革新を続けることが地域文化の持続可能性に貢献する」と締めくくり、今後の展望について語りました。
今後の展望
枕崎市は、今後も都市部を中心に自らの魅力を強化し、国内外へ地域資源の価値を広める計画です。水野氏は、さらに生産者のブランド化を進め、高付加価値化を目指す意向を示しました。
最後に、トークイベントの様子は枕崎市公式YouTubeチャンネルで生配信され、アーカイブ視聴も可能です。これにより、地域の魅力がより多くの人々に伝わることでしょう。
枕崎市の取り組みは、今後も注目を集めることでしょう。そして、その文化的な価値は、食文化を通じてさらに広がりを見せるのではないかと期待されます。