アパレル物流研究会が進める持続可能な物流のモデル
2023年10月に設立された「アパレル物流研究会」では、アパレル業界の物流効率を向上させるための共同輸送スキームを構築しています。この取り組みに、株式会社ビームスと豊島株式会社が新たに参加し、業界全体での課題解決を図る姿勢が明確になりました。
共同の力で目指す持続可能な社会
この研究会には、株式会社アンドエスティHD、株式会社バロックジャパンリミテッド、株式会社TSIホールディングス、株式会社ユナイテッドアローズの4社が既に参画しています。物流分野での共創を進めることで、各社が直面している課題を共有し、議論する場を提供しています。そして、ビームスと豊島が加わることで、より強固な物流基盤を築くことが期待されています。
ドライバー不足への対応
本研究会は、ドライバー不足の深刻な問題を解決するために、物流効率化を最優先課題として掲げています。国内の車両稼働台数が減少し、ドライバーの高齢化が進む中で、収益性の低下も重なり、新規参入者が増えない状況です。そのため、研究会では、企業間のリソース最適化を図りつつ、持続可能な輸送網を構築することを目指しています。
共同輸送スキームの具体例
アパレル物流研究会は、特に海外からの商品調達において無駄な運行をなくすため、以下の2つの共同輸送スキームを実施しています。
1. 下関港からの共同輸送
中国からの輸入貨物を下関港で集約し、フェリーを利用した効率的な輸送を行います。この方法により、運行車両数を削減し、運行時間の短縮も実現しています。
2. 東京港からの共同輸送
東京港に到着した貨物を集約して、各物流センターへの共同輸送を行い、やはり車両数の削減とスピードアップを図っています。
実証実験の成果
実際の運用において、共同輸送スキームはすでに成果を上げています。例えば、下関港からの共同輸送では、車両による運行回数が4回から2回に減少し、ドライバーの運行時間が約77%削減されました。また、CO2排出量も約37%の削減に成功しています。これは、モーダルシフトを導入することで達成されたものです。
今後の展望
アパレル物流研究会は、今後も共同輸送のスキームを拡大し、新たな参加企業の募集を続けていきます。この取り組みは単なる実証実験ではなく、社会的な課題解決に向けた持続可能なインフラの確立を目指しています。業界の枠を越えての協力体制を強化し、物流問題の解決策としての共同輸送の重要性を広めていく方針です。
アパレル産業が直面するさまざまな課題に対する解決行動として、この研究会の活動は、今後の業界全体にとって大きな意義を持つことが期待されています。持続可能な社会の実現に向けて、今後もその動向を見守っていく必要があります。