キリングループ、生成AIツール「BuddyAI」の展開を拡大
キリンホールディングスが、2025年5月から「BuddyAI」と呼ばれる生成AIツールを全国内従業員約1万5,000人に展開する計画を発表しました。この取り組みは、業務の生産性を高めることを目的としており、従業員が「人がやらなくてよい仕事」をAIに代替させることで、より価値のある業務に専念できる時間を創出することを狙っています。
BuddyAIの概要と導入背景
「BuddyAI」は、従業員の「相棒」という意味を込められており、定型的な業務の代行に留まらず、クリエイティブな業務にも寄与することを目指しています。2024年にはマーケティング部門で先行導入が行われ、その結果、当初見込まれていた2万9000時間を大幅に上回る3万9000時間の効果が得られたとされています。これは、ユーザー教育や機能改良が寄与した結果です。
業務の効率化と時間の創出
キリングループは、デジタル技術の役割を「生産性向上」と「価値創造」に明確に分けています。このような取り組みを通じて、全体で約31万時間の時間創出を見込んでいるとのこと。これにより、業務がより効率的に行えると期待されています。
今後は、マーケティングや営業、研究開発など各部門に特化した機能を順次追加予定であり、部門ごとのニーズに応じたカスタマイズが可能になる見込みです。
BuddyAIの今後の展望
「BuddyAI」は、生産性を向上させるだけではなく、各部門が特化した業務を遂行できるAgentic AIへと進化することを目指しています。将来的には、AIが業務を自律的に遂行し、結果を報告するなど、さらに便利な形で利用されることが期待されています。
特に、先行導入されたマーケティング部門では、60%を超える高い利用率が記録されており、プロンプトテンプレートも約15種類から100以上に増加しています。このように、従業員のフィードバックを反映しながら進化を続けています。
長期的なビジョンとDXの進展
キリングループは、長期的な経営構想「キリングループ・ビジョン2027(KV2027)」において、ICTを用いた価値創造を重要な柱として掲げています。デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めることで、新たな価値創造に継続的に挑戦し、持続可能な成長を目指しています。
このような新しい取り組みによって、キリングループは「食と健康」をテーマにした持続可能な社会づくりにも貢献することを目指しています。従業員がよりクリエイティブかつ効率的に業務に取り組むことができる環境を整えることで、キリンホールディングスはこれからの未来を築いていくのです。