2023年ビール消費量の今
2023年に入って、世界のビール消費量が前年比0.1%の微増を記録したという報告があります。これは、約1億8,793万kl(大びん633ml換算で約2,969億本)にのぼり、東京ドームをジョッキに見立てると約152杯分に相当します。この消費量の変化は、コロナ禍の収束とインバウンド需要の回復に起因していると考えられています。
国別消費量の動向
何と言っても注目すべきは、中国が21年連続で消費量トップの座を維持していることです。2023年のデータによると、中国のビール消費量は前年比0.0%で動きがなかったものの、安定した消費パターンを見せています。一方、日本は2020年まで14年間ずっと7位でしたが、2023年には11位にまで順位を落としています。日本の消費量は前年比1.0%減となり、ビール市場の厳しさを物語っています。
地域別の消費状況
地域ごとの動向も興味深いもので、アジア地域が依然として32.0%の構成比を誇り、16年連続でトップに立っていますが、前年比で0.6%減少しています。特に日本やベトナムでは消費量の減少が目立ちます。対照的に、5381万klを消費した北米は4.5%の増加を記録しました。アメリカのビール消費がこの増加をけん引しており、良好な経済環境が影響しているのかもしれません。
一人当たり消費量の調査
国別に見ると、チェコ共和国が152.1Lで31年連続の1位に君臨しています。嬉しいことに、日本の一人当たり消費量は34.5Lと前年度よりも僅かに上昇しました。国別ランキングでは、これまで低迷していたクロアチアが大きく順位を上げ、前年10位から5位へランクアップしたことも注目です。逆に前年5位だったポーランドは12位にまで下がっています。
ビール文化の未来
今回の調査から見えるのは、世界的に見てビールの消費が根強いものでありつつも、各国・地域による消費動向の変化が生じているということです。これは単に経済の影響だけでなく、文化や消費者の嗜好にも起因しているでしょう。たとえば、健康志向が高まる中で、アルコール飲料以外の選択肢が増えていることも一因です。
キリングループの理念
キリングループは自然と人々を見つめ直し、「食と健康」の新たな喜びを提供することを目指しています。そのために、ビールだけでなく、幅広い製品群で豊かさを社会に提供できるよう努めています。ビールは単なる飲料ではなく、文化や人々の交流を深める重要な要素であることを再認識する機会でもあります。
今後もビール業界は進化し、私たちのライフスタイルに密接に関わり続けることでしょう。ビールの未来を考えると、今後の動向も見逃せません。