キリンホールディングス、持続的成長へ向けたR&D戦略
2025年12月17日、キリンホールディングス株式会社は「KIRIN R&D DAY」を5年ぶりに開催しました。このイベントでは、同社が重点を置く研究開発(R&D)の過去、現在、未来に焦点が当てられ、酒類、飲料、ヘルスサイエンス、医薬といった事業分野における最新のR&D戦略が発表されました。
1. R&Dに基づく持続的成長の実現
社長COO南方健志氏は、発酵技術やバイオ技術を基盤とした事業ポートフォリオの強化を進めていることを強調しました。これまでのR&D成果が事業の成長に寄与し、過去2年間にわたり最高益を達成した背景には、イノベーションの積み重ねがあるとのことです。今後もR&D投資を継続的に強化し、社会課題を解決することでキャッシュの再投資が好循環をもたらすとしています。
2. 研究開発費の拡大とグローバルな挑戦
常務執行役員の藤原大介氏は、発酵バイオ技術やAIを用いた創薬など、日本の枠を超えて世界の社会課題に取り組む意向を示しました。2035年までにR&D費用を2024年度の約1.5倍に増やす計画が発表され、具体的な投資先としては山口県の微生物科学技術研究所へ35億円を投資予定としています。これにより、基礎研究を重視し、革新的な価値提供を目指します。
3. 次世代のスター研究員による発表
特に注目を集めた次世代の研究員による発表は、医療やヘルスケア切り口での最新技術に関するものでした。具体的には、以下のような内容となっています。
- - KHK4951: なノクリスタル点眼剤の開発であり、これは滲出型加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫の治療に向けたもので、臨床試験中です。
- - AI機能性シミュレーション: シチコリンをターゲットにした腸脳相関の新メカニズムの発見があり、市場向け製品開発へとつながります。
- - L.ラクティス プラズマ: 感染症対策としての研究が進められ、国際的な規制に対応した有効性の証明を目指します。
- - 免疫機能の可視化: 尿検査で免疫状態を把握し、免疫ケアの習慣化を促進する取り組みが発表されました。
4. オンラインセッションによる特別討論
また、特別鼎談では抗老化研究の現状や社会への応用可能性について意見交換が行われました。キンミズヒキや麹由来の成分について話題が上がり、今後の研究がどのように高齢社会の課題に貢献できるかが議論されました。
5. 研究ポスター展示
来場者とのコミュニケーションの場として、次世代研究員の発表を含む14の研究案をポスター形式で展示。活発に意見交換が行われ、今後のR&D活動に期待が高まりました。
まとめ
このKIRIN R&D DAY 2025は、キリンが持続可能な成長を目指すための新たなR&D戦略を発表する重要な機会となりました。今後もこのような取り組みを通じて、革新と社会貢献を両立させる姿勢を貫いていくことでしょう。