2025年美容市場動向：増加する美容サロン利用とその背景

美容業界の現状と未来展望

1兆円市場を超えた美容サロンの躍進

近年、美容室やアイビューティーサロンなどの市場規模が急成長しています。株式会社リクルートが発表した調査によると、2025年の美容室市場は1兆3884億円、アイビューティーサロンは1384億円に達しました。特にアイビューティーサロンは前年比で17.4％の成長を見せ、男女ともに人気が高まっています。

このデータは、全国の15～69歳の男女1万3,200人を対象とした実態調査に基づいています。このような急成長の背景には、消費者が美容にかけるお金を惜しまない姿勢があります。実際、女性の1回あたりの利用金額は7,668円、男性は4,879円と、共に過去5年で最高を記録しています。

男女共に増加するアイビューティーサロンの利用率

調査では、特に20代女性のアイビューティーサロン利用率は29.0％に達しており、日常的なケアとして定着しています。これは、コロナ禍を経て目元に対する関心が高まった影響とも考えられます。さまざまなまつげメニューが用意されており、時短で美を追求できるサロンの存在が大きな要因です。

面白いことに、男女ともにアイビューティーサロンの利用率は増加しており、男性も4年連続での上昇を見せています。これは、美容への男女の垣根が徐々に低くなっていることを示唆しています。

エステサロンの市場動向

一方でエステサロンの市場は、2023年とほぼ同水準の3360億円にとどまっています。脱毛サービスに特化したサロンでは、ここ数年で672億円の減少が報告されており、女性の脱毛サロン利用率も減少し続けています。これは、医療脱毛やセルフケアといった新たな選択肢の増加が影響していると分析されています。

ただし、フェイシャルやボディメニューは安定した需要があり、特に高単価メニューに対するニーズも高まっています。消費者は「全てに投資するのではなく、本当に重要なところにしっかりとお金をかける」という選択の仕方が徐々に現れています。

リラクゼーションサロンの人気

さらに、リラクゼーションサロンの市場規模は3年連続で拡大しており、2025年には3798億円となる見込みです。こちらは、在宅勤務の増加やスマホ使用によるストレスから、リフレッシュ目的でサロンを訪れる人が増えていることが背景にあります。

ネイルサロンでの変化

ネイルサロンの市場規模も、1455億円に達するなど、3年連続での成長が見られます。特に女性の高頻度利用者が増えており、自己投資の一環としてネイルも人気の美容サービスとなっています。

今後の展望

2025年以降、理容室を利用する女性の率も調査され始め、新たな市場としての潜在性が見える中、特に「顔そり」サービスに対する関心も高まっています。

美容業界は今後、消費者のニーズに応える形での新たなサービス展開やメニューの多様化が求められます。各美容サロンは、利用者の期待に沿った価値訴求をしっかりと行っていく必要があるでしょう。価値ある美容サービスを提供することで、より多くの消費者に選ばれるサロンとなることが重要です。