ナリス化粧品が革新する使用感評価の新手法
株式会社ナリス化粧品は、化粧品の使用感設定において新しい評価方法を導入し、顧客満足度の向上を目指しています。この新しいアプローチは、「構造方程式モデリング」という手法を用いており、専門家による官能評価を客観的に再構築することを目的としています。
研究の背景
ナリス化粧品は、1960年代から社内において化粧品の使用感や色味を評価する専任部門を持ち、社員はこの評価能力を長年にわたって深めてきました。研究を重ねる中で、使用感が化粧品の継続使用に大きな影響を与えることが明らかとなり、心地よさや感性を数値化する手法も確立しています。
特に、長年にわたり愛され続けるスキンケアブランドにおいては、過去の製品や既存ユーザーの影響を受けやすく、新たな使用感を導入することが難しかったという課題がありました。しかし、この度新しい手法を用いることで、より多くのユーザーにとって心地よい使用感を提供することが期待されています。
この研究は慶應義塾大学の井上哲浩教授の指導のもとで進められました。
研究内容
社員アンケートから評価語を収集し、それらを因子分析の手法で体系化しました。例えば、角質を取り除きつつ保湿効果を持つ「オールパーパスローション」では、評価語が989語収集され、その中から31語に整理されました。これらの言葉を使用したモニターによる使用テストを実施し、構造方程式モデリングによる分析を行いました。
この手法により、評価に影響を与える言葉を可視化することが可能となり、より効果的な評価が行えるようになっています。
今後の展望
新たな使用感設定手法の導入により、専門的な評価基準を客観化することに成功しました。また、立場や官能感覚の異なる社員間でも意思の統一が図れ、開発期間の短縮にも寄与しています。
ナリス化粧品が2022年10月に実施した調査によると、約2,000名の40代から60代の女性のうち、97%が「使用感の良さ」がスキンケアの継続使用には重要だと回答しました。また、満足度が高い使用感を持つ化粧品が彼女たちに「幸せ」を感じさせていることもわかりました。
エモーショナルな感情がますます重要視される中で、今回の多くの評価語と新しい分析手法は貴重な資産であり、満足度の高い製品開発に向けて今後も活用されることでしょう。
この新たな取り組みにより、多くの顧客に喜ばれる化粧品が生まれることを期待しています。