近年、温暖化や異常気象の影響で、米の品質に大きなばらつきが出ています。このため、消費者はどの米を選ぶべきか迷うことが多くなっています。そんな中、東洋ライス株式会社は新しい食味評価法を提案し、これまでの米選びの概念を大きく変える取り組みを進めています。
食味評価法の革新
最近、東北大学で行われた「日本食品科学工学会第73回大会」において、同社の技術者と米・食味鑑定士協会会長が発表したのは、「実際のおいしさ」を基にした米の選び方についてです。米のおいしさは様々な要因によって影響を受けるため、ただ産地や品種だけではなく、実際に食べてみないと分からないという課題があります。この問題を解決するために、炊飯したご飯の食味を測定し、それを基にブレンドする方法を確立しました。
「味度メーター」の活用
新たに導入された指標「味度値」は、一定条件で炊飯した米を測定し、その食味の特性を数値化したものです。この方法は官能評価との関連性も高く、消費者が求める味わいをしっかりと反映することができます。このように、原料米をロットごとに測定し、食味に応じたブレンドを行なうことで、安定した食味の米を提供することが可能となりました。
気候変動と米の品質
気候変動は米に直接的な影響を及ぼします。同じ品種の米でも、年ごとの気象、育成条件、さらには保管方法によって味わいや品質が異なることが増えてきました。そのため、消費者が満足できるおいしさを安定して届けるためには、製造過程での精密な品質評価が不可欠です。従来の産地や品種だけに頼らず、実際の味わいに基づいた選定が求められています。
期待される社会の実現
今回の取り組みでは、消費者は自分の求めるおいしさに合った米を選ぶことができるようになるとされています。今後、流通業者や生産者とも連携を強化し、おいしさを前面に出した米選びを実現したいと考えられています。食味品質を誠実に表示することで、消費者は自らの嗜好に合った米を容易に見つけることができ、食卓での満足度も向上するでしょう。
東洋ライスの未来
東洋ライスは、これまでの農産物の価値評価に「おいしさ」を加えることで、米産業全体の信頼を高めていくとの考えを持っています。消費者が価格や年産だけでなく、実際に確認されたおいしさを基準に米を選ぶ社会を目指すこのプロジェクトは、食味の表示を分かりやすくするだけでなく、生産者にも新たな評価基準を提供するものといえます。今後の展開にも、ぜひ注目していきたいですね。