プライベートブランドの消費者イメージ、TOPVALUとセブンプレミアムはこう違う!
現代のスーパーマーケットでは、プライベートブランド(PB)が急速に普及してきています。近年の調査によれば、多くのスーパーマーケットでプライベート商品が取り扱われており、その背景には「粗利益の確保」や「企業ブランド価値の向上」などの目的があります。そんな中、TOPVALU(トップバリュ)、セブンプレミアム、みなさまのお墨付きという三つの主要なプライベートブランドに焦点を当て、消費者の印象と企業のブランドコンセプトのギャップについて深掘りしてみたいと思います。
1. TOPVALU(トップバリュ)の魅力
TOPVALUは、イオンが展開するプライベートブランドであり、消費者に与える良いイメージとしては、「コストパフォーマンスが高い」(53.7%)といったポイントが挙げられます。また、「安心できる」(9.8%)や「品揃えが良い」(8.3%)という評価もあります。公式サイトでは「毎日のくらしに新しいアイデアとワクワクをお届けします」と謳っており、そのコンセプトからは斬新さや楽しさが感じられます。ですが、実際に「斬新な商品がある」と感じる顧客はわずか2.8%に留まることから、企業の意図と消費者の受け取る印象にギャップがあることがうかがえます。
2. セブンプレミアムの強み
次に、セブンプレミアムは株式会社セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランドで、「おいしい」(29.0%)や「高品質」(18.2%)という評価を得ています。消費者はこのブランドを「コストパフォーマンスが高い」(13.9%)と評価しつつも、特に「美味しさ」や「安心感」を重視している様子が見受けられます。設立当初から品質と味にこだわってきたことが、20年近く経った今でも消費者の心に響いているのでしょう。公式HPでもこのようなブランド哲学が強調されています。
3. みなさまのお墨付きの魅力
そして、みなさまのお墨付きは西友が運営するプライベートブランドです。このブランドに対する良いイメージは、「コストパフォーマンスが高い」(42.2%)、「安心できる」(11.3%)、「品揃えが良い」(9.7%)という傾向が見えます。ここでもTOPVALUと同様の順位が観察されましたが、みなさまのお墨付きはより多様な印象が広がっているといえそうです。西友は「安さに加えて、簡便性や健康志向などの価値提供」に力を入れていることから、意識的に多様な価値を提供しようとしている姿勢が消費者に響いているようです。
4. ブランドイメージの比較
TOPVALU、セブンプレミアム、みなさまのお墨付きは、それぞれ異なる顧客ニーズに応えるプライベートブランドですが、特にTOPVALUとみなさまのお墨付きの比較では、コストパフォーマンス重視の傾向が再認識されます。一方で、セブンプレミアムは味や品質を重視する傾向が強く、顧客の購買選択に影響を与えていることがうかがえます。
5. 調査結果から考える顧客理解の重要性
今回の調査から、スーパーマーケットのプライベートブランドが消費者に与える印象と、企業の意図するブランドメッセージに差があることが明らかとなりました。特に、複数の店舗が同じプライベートブランドを扱う場合、消費者の受ける印象が異なってくる可能性があるため、より慎重な調査や設計が求められるといえるでしょう。
モニタスが提供するツール『スパコロ』は、顧客理解や市場把握を可視化し、企業における研究開発をサポートする役割を果たしています。このようなサービスがあれば、消費者の意見を取り入れた商品開発がよりスムーズに行えることでしょう。今後も消費者のインサイトを重視しながら、愛される商品やサービスの提供を目指していきたく思います。